2019/03/28

待つ接客から、話しかける接客へ。 ポケトークで客単価上昇のみならず、「おもてなし」接客に成功。

ポケトーク/タワーレコード「TOWERminiダイバーシティ東京 プラザ店」

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広いフロアに多彩な品揃え、手書きPOPでのレコメンドなど、従来のレコード店の常識を覆す斬新な販売方法で日本のミュージック・フリークたちを虜にしてきたタワーレコード。東京・渋谷の旗艦店を筆頭に、現在の店舗数は79店舗(タワーレコード 68、TOWERmini 6、TOWER RECORDS CAFE 5/2019年2月現在)。時代のニーズに合わせて進化する同社には日本人のみならず、同ショップの多彩な品揃えや日本独自の音楽カルチャーの発見を目当てに多くの訪日外国人も来店します。そうした外国人のお客さまへのサービス充実のため、2018年9月からポケトークを導入した「TOWERminiダイバーシティ東京 プラザ店」でお話を伺いました。

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タワーレコード株式会社 TOWERminiダイバーシティ東京 プラザ店 店長 森田祐介さま

ピーク時には全来店客数の4割以上が海外からのお客様。 観光先でふらりと立ち寄るお客さまの心をつかむには会話が必要。

外国人のお客さまのご来店の割合はどれくらいですか?

日本人のお客さまのご来店は週末に集中しますが、外国人のお客さまは特に平日に多くて1日の来店客数の2〜3割という印象です。外国人向けの観光ツアーにお台場が組み込まれているため、大型バスでダイバーシティ東京 プラザへ来店されるんです。年間だとピークは夏と春節(旧暦の正月で、年によって1月下旬〜2月上旬の間で変わる)ですね。春節の10日間には中国人の方がどっと増え、来店客数の4割ほどに跳ね上がります。

いつから外国人客の増加を感じていましたか?

お台場は観光地なのでもともと多かったのですが、近年の増加の理由には、2020年の東京五輪に向け、周辺各施設がインバウンド誘致を進めていることがあると思います。また、「実物大ユニコーンガンダム立像」が立ったあたり(2017年9月24日)から、もう一波の増加を感じました。中国をはじめとしたアジア圏はもとより、世界中から見に来られますから。

どちらの国の方が多いですか?

ダントツで中国ですね。次いで韓国。フィリピン、タイ、台湾です。欧米の方はあまり多くないんです。

こちらのショップでは、外国人のお客さまにどんなものが人気ですか?

一番人気はK-POPのCDです。外国人のお客さまの売上の5割以上をK-POPが占めているんですよ。アメリカでも「BTS(防弾少年団)」がヒットチャートに入りましたが、やはりアジアでも人気です。ダウンロードではなく、カタチのあるCDで購入できる点が良いのでしょう。実は、韓国の方もよくK-POPのCDを買われるんです。「自分の国のアーティストが違う国で発売したものを買いたい」「韓国盤とはジャケットや収録曲が違う日本盤を買いたい」というご要望が高いようです。日本人アーティストでは、安室奈美恵さんやジャニーズが人気ですね。ほか、イヤホンなどのアクセサリー品を買われる方も多くいらっしゃいます。トートバッグなどオリジナルグッズもいろいろ用意していますが、タワレコのロゴ入りグッズをお土産にという方も多いんです。

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ダイバーシティ東京 プラザ店ならではのお困りごとはありましたか?

渋谷や新宿の大型店は、ほとんどが「このアルバムがほしい」という目的買いのお客さまです。対してこちらの店舗では、お客さまが観光で立ち寄ったショッピング施設内でたまたまCDショップを見つけて入店されるという流れなので、欲しい商品が明確ではない方が多いんです。そうなると、気になる商品があってもこちらの説明が明確でないと、お客さまが購入を断念されることもありました。正直、スタッフ全員が中学英語レベルでしたので、たとえば「日本盤オリジナルで収録されている曲」とか、「初回限定盤と通常版の違い」など細かな商品情報にはまったくお答えできなかったんです。とても申し訳ないし、もったいないことでした。

スタッフによるポケトーク評価点の一番はコミュニケーション。 積極的にお声掛けする「おもてなし」接客を全員で開始。

ポケトーク導入の経緯を教えてください。

外国人のお客さまは増加しているのに満足に対応できない現状でしたから、前々から弊社本部に対策をお願いしていました。こちらの支店では昨年(2018年)9月から使っています。一台をスタッフで共有し、いつもだれかしら首からぶら下げています。

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ほかの翻訳機は試されましたか?

インターネットの無料検索サービスを使っていましたが、こちらが言いたいことを日本語で打ち込んで翻訳したものを見せる方法ですから、いかんせん、お客さまのおっしゃっていることがわからない、そしてご要望がわからない状況ということもあって、会話にならないんです。また、そもそも翻訳が間違った内容になることもままあり、あたふたしている間にお客さまも諦めてしまわれる。これではニーズに合った商品をご用意できないという状況でした。

ポケトーク導入後はいかがですか?

 私も含めてスタッフ全員、お客さまと会話ができ、コミュニケーションが取れるという点を一番うれしく感じています。中国の方は自国語で話したいと思われる方が多く感じますし、特に喜ばれますね。

ポケトークが活かされたエピソードを教えてください。

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中国からご来店の女性のお客さまがK-POPのCDをお探しになって、店内で迷っておられました。なかなか日本人スタッフには話しかけづらそうにされていたので、こちらからポケトークを使ってお声がけしてみたんです。すると自国語でのコミュニケーションにご安心いただけたようで、欲しいCDをたくさん見つけてお買い上げいただけました。そもそもポケトークはスタッフが言葉の壁で困った時に使うイメージでしたが、お客さまの立場になれば言葉が通じない不安から、スタッフに話しかけるのを躊躇されている場面が一番の使い時だと気づきました。このエピソードは、積極的にこちらからポケトークでお声かけしようとスタッフ間で話し合っていたタイミングで起きたことだったので、印象に残っています。

 

ポケトークを積極的に使おうとお決めになった経緯は?

ポケトークに対し、導入したばかりの頃は「実際そんなにうまくいくの?」と疑心暗鬼でもありました。でも、使ってみたらこれが「すごい!」と。翻訳は正確で、問題なく接客できます。インターネットの無料翻訳サービスのような翻訳ミスもほぼないし、しかも、かしこまった文章ではなく自然な会話を翻訳してくれます。こんなに小さくて、首に下げても重くない、邪魔にならない。店舗では常にBGMがかかってますが、聞き取りも問題ないです。とにかく便利で、いまではポケトークなしの接客は考えられないほどです。そうやって、まずは自分たちが操作性や機能に満足したので、導入後2ヵ月経った11月から、困っておられるお客さまを見かけたらこちらからお声がけしていこうとみんなで決めました。会話のキャッチボールができるようになり、スタッフの何よりの喜びになっています。

ほかにもお声がけされるようになってポケトークが活かされたエピソードはありますか?

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店舗入口にアニメとのコラボレーションパネルや、乃木坂46のフォトフレームなどを設置しているんです。お客さまはそのパネルと一緒にセルフィーを撮られることが多いんですが、お一人の場合、うまく撮れず困っておられることがよくありました。「お撮りしましょうか?」とお声がけしたら、大変喜んでいただきました。積極的なお声がけにより、販売やサービスという観点以上の「おもてなし」ができるようになりました。また、お客さまに喜ばれることで、スタッフも接客に自信がついてきたと思います。

「あいうえお順」のCD棚から海外のお客さまが目当てのものを見つけるのは至難。 そこはコミュニケーションで寄り添い、満足度と売上につなげる。

CDショップならではの外国人客への接客上の課題はありますか?

一番の課題だと思う点は、邦楽CDの並びが基本「あいうえお順」ということです。五十音をご存じでない外国のお客さまにとっては探しようがなく、「このCDはどこにあるのか?」とまず聞かれます。洋楽については「アルファベット順」になっていますので、特に中国の方にとっては混同されていてわかりづらい印象になっているのかもしれません。ですから、まずはお探しのCDがどこにあるのかご案内して、さらにそれぞれの仕様の違いをご説明してご理解いただくプロセスが必要となるのが、CDショップならではのハードルだと思います。

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そうなると、先ほどおっしゃられたお声がけが重要になってきますね。

そうですね。特にK-POPには、韓国盤、日本盤やジャケット違いなど、同じアルバムでもたくさん種類があります。ですから逆に、こちらから「期間限定盤もありますよ」といったご紹介をすると、そちらも合わせてというようにいろんなバージョンをまとめ買いされるケースも出てきました。そういえば、つい先日のできごとですが、アジアでも人気の米津玄師さんについて、「DAOKOとのコラボ曲もありますよ」とDAOKOさん名義でリリースされているCDをご案内すると、「知らなかった!」「教えてくれてありがとう」とそちらも購入していかれました。こうしたコミュニケーションができることは、スタッフがポケトークをもっとも評価している点ですし、売上にもつながっています!

スタッフの方も、外国からのお客さまとのコミュニケーションを喜んでいただいているんですね。

ポケトークで意思疎通できることで、外国語でお話しになるお客さまとのコミュニケーションへの恐怖心が払しょくされたと思います。恐れず楽しくお話ができるので、1つのアーティストからそのコラボ曲、コラボジャケット、同じアーティストの別のユニット、一つ前のアルバムなど、お客さまのお好みに合わせてご提案が広がっています。さらには、お客さまが「どうしてそんなに詳しいんですか!?」とおっしゃって、J-POP担当のスタッフと問い合わせ以上の内容にまで会話が盛り上がることも出てきました。こうした会話が、お客さまにとってご旅行の楽しい想い出になったらいいな、と思っています。

国ごとの文化の違いによる買い物の作法の違いで戸惑われたことはありますか?

主に中国の方ですが、イヤホンなどアクセサリーのパッケージを開封して「中の現物が見たい」とおっしゃる方が多いです。ポケトーク導入後にお話を伺うと、「中国は偽物も多いから現物を確かめたい」からだと理由が分かりました。いまはポケトークを使い、ご希望の商品は日本製であり偽物ではないことをお伝えして、ご理解いただいています。ちなみに日本メーカーのイヤホンは大変人気で、お友だちのお土産にと10個ほどまとめ買いされる方もいらっしゃるんです。

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珍しい言語にもポケトークですぐに対応できた! ワイヤレスイヤホンについての詳細な説明も可能に。

ポケトークを設置されていることをポスターでアピールされていますが、お客さまから声をかけられることは増えましたか?

ポケトークのポップを指して、「これでお願い」と話しかけていただくことはありますね。スタッフの名札の下にも、「ポケトークあります」の表示をしているので、そのためかお客さまからお声がかかりやすくなったと実感しています。

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ポケトークをご存じのお客さまは多いですか?

結構ご存じですね。機械をお見せしたら、「ああ、これね」と。ほかの観光地などでご覧になったのかも。使い方に戸惑うお客さまはほとんどいらっしゃいません。中には使い慣れておられる方もいらっしゃるほどです。

ポケトークに今後改善してほしい点など、何かご要望はありますか?

言語選択の際に、国旗の提示があったほうがいいかなと思います。言語が分からなくとも、お見せすれば目で見て言語を選んでいただけるのがわかりやすかったと思います。以前、それで助かったケースもありました。

どんなお客さまですか? 珍しい言語だったのでしょうか?

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ベラルーシからいらっしゃったご年配の女性でした。お見かけした感じで欧米の方かと予測して、英語でお声がけしましたがまったく通じず。前のポケトークの言語設定の画面をお見せしたら、国旗を見て選んでいただけて、それでベラルーシだと分かったんです。日本製の無線イヤホンをお探しで、「自分のスマートフォンで使えるのか?」とのご質問があり、その場でお客さまご自身のスマートフォンを見せていただいて、問題ないことをご説明しました。こういった際、海外の方はご自身の持ち物を預けることに抵抗を感じられる方もいらっしゃいますが、「実際にお客さまのスマートフォンでご説明してもいいですか?」といった文章もポケトークで伝えられて、安心して預けていただくことができました。「ここを押せば設定できますよ」と最後まで詳細に説明させていただき、ご納得してお買い上げいただきました。

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よく使うフレーズ
「なにかお探しの商品はありますか?」
 英語:Are there any items you are looking for?
 中国語:有什么要找的商品吗?

「免税は5400円からです。お支払い後にお金をお返しします。」
 英語:The exemption is from 5400 yen We will refund money after accounting
 中国語:免税是从五千四百日元起,支付之后还给您钱。

「どのような音楽がお好みですか?」
 英語:What kind of music do you like
 中国語:喜欢什么样的音乐?

「こちらが一つ前のアルバムです」
 英語:This is the previous album
 中国語:这是前一张专辑。

「コラボレーションCDもあります」
 英語:There is also a collaboration CD
 中国語:也有合作CD。

「これはブルートゥースに対応しています。」
 英語:This is Bluetooth compatible
 中国語:这个对应蓝牙。

「写真をお撮りしましょうか。」
 英語:Shall I take a picture?
 中国語:我给您拍照好吗?

導入担当者さまの声

年々増え続ける外国人のお客さまにより良いサービスを お届けするために、言語面で抱えていた課題。 ポケトークは求めるすべての希望をかなえてくれた。

タワーレコード株式会社 リテール事業本部 リテール管理統括部 店舗管理部 渡邉琢磨さん

外国人のお客さまの割合は、2016年度から変わらず約4割が中国の方、次いで韓国、台湾、タイとなっています。免税をご利用いただいたお客さまだけでも、全体で毎年約7,000人ずつ増えている状況で、インバウンド需要の高まりとともにさまざまなシーンで言語面での課題を抱えていました。ポケトーク導入以前もタブレットの翻訳ツールを導入していたのですがバージョン管理が煩雑でまた音量が小さく、常にストアプレイが再生されている店舗では聞き取れませんでした。そこで、タブレットタイプではなく音量が十分で、Wi-Fiがなくても使用でき、スタッフとお客さまが双方向で話せて対応言語が多い、それでいてなるべく安価なユーザビリティの高い翻訳機を求めてさまざまな商品を検討いたしました。ポケトークはまさに、これらの希望を満たしていたことから2018年7月より12店舗で14台導入しています(2019年2月現在)。私自身、手軽で操作が簡単なこと、そしてポップな見た目も気に入っています。また、「ポケトーク」では翻訳結果をテキストでコピーすることができることも、大変便利だと感じています。

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