ボタンを押しながら話すだけで、会話を瞬時に文字化する
「ポケトークmimi」
ご本人だけでなくご家族も驚かれます!

愛眼株式会社 様

(左から)愛眼株式会社 本社営業本部 補聴器・コンタクト課課長 山本達哉さん、メガネのアイガン 横浜本店店長 小澤賢紀さん、同スタッフ 太田由紀子さん

愛眼株式会社は大阪に本社を置くメガネ専門店チェーン。全国に200店舗以上チェーン展開し、メガネ・サングラスの販売に加えて補聴器の販売・メンテナンスも行っています。2020年9月からは難聴・聴覚障害のお客さまへのサービス拡充をめざし、「ポケトークmimi」を導入。接客での活用に加え、店頭での販売も開始しました。導入から2ヵ月が経ったメガネのアイガン 横浜本店に取材に伺い、実際に接客に使って感じたリアルな感想をお聞きしました。

音のコミュニケーションが取りづらくなっている今だからこそ導入すべきだと思った

──普段どのくらい補聴器をお求めになるお客さまが来店されますか?

メガネ店ですのでそれほど多くはなく、全体の1割ほどです。補聴器を買いに来られるというより、メガネを買いに来られた方とお話しするなかで「最近、耳が遠くて…」といったお困りごとをお持ちの方にヒアリングし、お役に立てそうであれば補聴器をご案内しています。

──「ポケトークmimi」はどういうきっかけで導入されることになったのですか?

(2020年)5月にソースネクストさんからご案内をいただきました。もともと翻訳機の「ポケトーク」は知っていましたが、あんな便利なアイテムで難聴の方に向けた商材があるなら、間違いなくお客さまの聞こえの悩みに応えるものになるだろうと、店舗でのサービスとしても、販売用としても、可能性を感じました。また、ちょうど新型コロナウイルス感染予防対策の真っ只中でしたので、マスク着用やついたての設置で会話でのコミュニケーションが取りづらくなっていた状況もあり、個人的には「すぐにでも導入するべきだ」と思いました。

──マスクを着用すると、会話でのコミュニケーションが難しくなるのですか?

一般的に、老人性の難聴は高い音や無声子音から聞こえづらくなっていきます。例えば“サ行”の音などが聞き取りづらく、「さかな」が「たかな」に聞こえたり、「すし」が「うし」に聞こえたりして聞き間違いが多くなってきます。そのうえ、マスクを付けてしまうとさらに子音の音が吸収されてしまうので、ますます聞き取りが困難になって会話で誤解が生まれてしまうことも少なくないんです。

──そのような状況のなかで、「ポケトークmimi」の導入の決め手になったのはどういった点でしょうか?

やはり、文字で視覚情報として補ってくれる部分ですね。実は会話であっても、人は情報の6割を視覚から得ているとも言われています。特に難聴の方は、会話をするときに相手の口元の動きも見て、内容を理解している部分も多いんです。だからマスクで口が隠れてしまう今の状況は、難聴でお困りの方にとってはより不便な状況になってしまいました。そんな状況だからこそ、聞こえたことを確実に文字にする「ポケトークmimi」は、正しく確実に情報を伝えるために必須と考えたんです。

──現在、どこに何台導入されているのでしょうか?

社としてトータルで50台導入しました。

視認性も良く、普通に話してもしっかり文字にしてくれることに驚いた

──横浜本店では、どれぐらいの頻度で「ポケトークmimi」を使う機会がありますか?

補聴器関連のお客さまは1日4〜5名さまぐらいですね。補聴器を取り扱うカウンターに置いて、接客時に役立てています。

──導入するまでは、難聴や聴覚障害のあるお客さまの対応はどうされていたのでしょうか?

耳元で聞き取りやすいようにお話ししたり、内容がお伝えしにくいと感じたら紙や液晶タブレットを使って筆談をしていました。ただ、筆談だと不快に感じるお客さまもいらっしゃるので、そこは判断しながらの対応となっていました。

──実際に「ポケトークmimi」を使ってみた感想はいかがですか?

まず簡単さがいいです。補聴器を使っていても、聞き取った音を頭のなかで言葉に置き換えたり、周りの音の中から必要な音を選り分けたりする必要があります。そのため、使い慣れるまでにある程度、時間がかかるものなのです。その点、「ポケトークmimi」は簡単にすぐ使えて、見せるだけで意思が伝わるのはすごく便利だと思います。音は探しにいくものですが、文字は見るだけで伝わりますから。

普通のトーンで話しても、しっかり文字にしてくれるので驚きました。届いたばかりのときには、「すごいね!」とスタッフみんなであれこれ試してみたりしていました。

ボタンを押したまま話すという簡単な操作で、ボタンを離すとすぐに文字にしてくれて「速いな!」と感心しました。また、最初は例えば「聴力」などうまく表示されない単語もありましたが、AIが学習していくようで、気づいた時にはスムーズに文字化されていました。本当に賢いですよね。

──店内ではBGMのほか周囲に雑音もありますが、認識は問題ないですか?

そこまでBGMが大きいわけではないですが、周囲で会話をしていても問題なく認識していますね。

周囲に雑音が多いショッピングセンター内の店舗でも、問題があるという話は聞いていません。「ポケトークmimi」の機能に惚れ込んでいるスタッフもいるようです。

──画面の見やすさはいかがでしょうか?

視認性もいいですし、背景も壁紙みたいな質感で文字が読み取りやすいですね。

年配の方にお見せすることが多いのですが、文字表示が大きく、老眼鏡がなくても見えるサイズでありがたいですね。本体は手のひらサイズで威圧感がなく、手にとっていただきやすいのもいいです。これぐらいコンパクトだと、比較的横からのぞき見られる心配もありませんし、個人的な情報でも安心してお使いいただけると思います。

筆談では難しかった雑談も気軽に文字化でき、コミュニケーションが増えた

──実際にどんなシーンで使用されているのでしょうか?

カウンターでは、「これから検査しますね」「今から測定しますね」などに加え、「お昼は何を食べましたか?」など、日常会話を交わすことも多いんです。特に初めてのお客さまには、まずは雑談でリラックスしていただきたいので。そんなとき、筆談だと書いている間は下を向いてしまいますし時間もかかりますが、「ポケトークmimi」であればお顔を見ながらお話ができるのでいいですね。

実は昨日、補聴器のメンテナンスにいらっしゃったお客さまに「ポケトークmimi」を使って対応をしたのですが、日常的なことを雑談しているなかでお困りごとをうかがうことができ、サングラスをお買い上げいただきました。

メンテナンスで補聴器を外しておられる間は、今までだとじっと待っていただくしかなかったのですが、「ポケトークmimi」だと筆談するまでもないことでも気軽に会話できるので、そのなかから商機の拡大も期待できると思います。

難聴の方は、話が聞こえていなくても、聞き返すのが恥ずかしかったり煩わしかったりで、笑顔であいまいに聞き流してしまわれることもあります。そんなときも、文字化すればきちんと情報が伝えられるので、非常に有効なアイテムだと感じています。

補聴器の相談にはご家族連れで来られることが多いのですが、ご本人さまとご家族などのお連れさまで内容を共有することもできますし、お連れさまの言われたことをご本人さまにお伝えするのにも便利です。

実は聞こえにくくてもご本人はあまり困っておられないことが多くて、それよりもご家族がお困りだったり不安になっていたりします。「おじいちゃんの耳が遠くなって、何度も同じことを言わなきゃいけないので、頼むから補聴器を着けてほしい」と、ご家族が連れてこられるケースが多いんですよ。

──会話が成り立たないと、認知症が進むケースもあるようですね。

やはり聞き取りづらくなると、ご友人と一緒に話したり会合に行くのも億劫になり、次第に人とのコミュニケーションを取らなくなってくる方もいらっしゃいます。そうすると認知症が進むリスクも高くなる可能性もあるので、ご家族は心配されますよね。

ご家族同士でもあまり話をされていないことが多いんです。日常生活で「伝えたいけどうまく伝わらない」ことが重なり、いらだちをお持ちだったり、諦めてしまっている部分があるんだと思います。我々の仕事は、「息子さんがこういうことで困っておられるので。人助けだと思って補聴器を着けませんか」などと橋渡しをすること。そんな場面で、文字で情報をパッとお見せできる「ポケトークmimi」があれば、お話も伝わりやすくなります。

補聴器はまだ使いたくないという方にもお勧めしやすいのがポイント

──補聴器コーナーでは、「ポケトークmimi」の販売もされておられますね? 初めて手に取るお客さまはどんな反応をされますか?

真ん中のボタンを押して話すだけなので、年配の方でも抵抗なくすぐにお使いいただけています。9月から取り扱いを始めたばかりですが、ご家族の方が「これも買おうよ」とお買い上げいただくケースもあるんですよ。ご本人よりも、お連れさまのほうが興味を示されますね。

──ほかにお客さまからのコメントで印象に残っておられることはありますか?

補聴器は「着けるのが恥ずかしい」と、少しネガティブな思いを持つ方も多いものなんです。「まだ補聴器を着けるほどではない」と、着けたがらない方も実際いらっしゃるのですが、「ポケトークmimi」だったら使っても恥ずかしくないと、お買い求めになられた方もいらっしゃいました。何より補聴器に比べるとずいぶん安価ですから、心理的にもコスト面でもぐっとハードルが下がっておすすめしやすいのがポイントです。

補聴器はお風呂では外しますので、そこから寝るまでは「ポケトークmimi」で代用できそうだなという声もありました。また、補聴器が補う音は7割ほどで、聞こえが100%にはなりません。その少し足りない部分を補助できますし、ご家族間のコミュニケーションの切り札になるのではないでしょうか。

──高齢の方とのコミュニケーションで活用できそうなケースは多そうですね。

スーパーやショッピングセンターのレジ、サービスカウンターでも、マスクがあるせいで聞こえにくくなっています。そんな対人コミュニケーションが多いサービス業全般で、活用できるのではと思います。実はタクシーやバスなどは、利用者も高齢の方が多いですがドライバーさんに難聴の方も多いのです。バスは筆談具を設置していたりもしますが、「ポケトークmimi」を導入すればすごく便利ですよね。

──今後、「ポケトークmimi」に期待することをお聞かせいただけますか?

ボタンひとつでバスの時刻表がわかったり、タクシーが呼べたり、少しスマホに近い機能もあれば喜ばれるんじゃないでしょうか。

肌身離さず持つアイテムなので、子どもの見守り機能のように、GPSで居場所が分かるような機能があるとご家族の安心につながるかもしれませんね。

標準のフォントは非常に読みやすいですが、会話の内容やお話し相手によっては、フォントが変わったりすると楽しいですね。お孫さんが喋るときは丸文字になったり、女性の方なら絵文字になったりしても面白いかもしれません。こういった使っていて楽しくなる機能によって、「聞こえにくいから使う」というネガティブな側面を払拭して積極的に使いたくなるようなアイテムになってくれればいいと思います。