cart

外国人のお客さまのご要望に応えるため、言葉の疎通は大事。 ポケトークが喫茶室という憩いの場をより快適に。

株式会社 銀座ルノアールは日本の喫茶店文化の代表的な存在です。休憩に、待ち合わせに、語らいに、ビジネスの打ち合わせに、また、モーニングや軽食目当てにと多様な用途のお客さまがひっきりなしに訪れます。駅の近くや繁華街など利便性の良い立地も特徴で、昨今は外国人のお客さまも増えました。以前から外国人スタッフの採用や英会話研修などで対応策には意識的に取り組んできましたが、今後外国人客がさらに増えることを見据え、1ステージ上の対応ができるようにと41店舗にポケトークを導入されました。実際にどのような利点があるのか、現場の声を伺いました。

(右から)
株式会社 銀座ルノアール Cエリア スーパーバイザー 小林総一郎さん
株式会社 銀座ルノアール 喫茶室ルノアール有楽町駅前店 店長 榎本あいさん

伝えることも大事だが、もっと重要なのは聞き取ること。 ヒアリングを助けてくれる翻訳機が活躍する。

外国人客の増加を実感されたのはいつごろですか? また、どのような目的の外国人客がよく利用されますか?

個人的な感覚では1年半ほど前からです。ただ、銀座界隈は観光地として外国人観光客にも人気のエリアですから、とくに週末はショッピングバッグを持ったお客さまが以前からよくいらしています。ファミリーや5~6名の若いグループが多く、わたしの担当する有楽町駅前店の特徴としては、英語を話される方(欧米人)が多いです。また、平日はパソコンを使っておられるビジネスマンや、お二人以上でお仕事の打ち合わせをされている姿もよくお見受けします。

ポケトーク導入以前の問題点やご苦労は、どのようなことでしたか?

管理職(店長)向けの英語研修があり、伝えるための英会話スキルは少しずつ修得して実践できていました。でも、実際の接客の現場では、研修で習ったフレーズがとっさに出ず慌てる場面はありますし、(研修の内容にない)イレギュラーなご要望があるときもあり、どちらかというとお客さまの英語が聞き取れないことに困っていました。お話しされるスピードが速い方や、時には「オーケー」が「アーカー」に聞こえる独特の訛り(発音)の方もいらっしゃいます。そういう面で、ヒアリングのために翻訳機がほしいと痛切に感じる場面は多々ありました。

「ヒアリングのための翻訳機がほしい」と感じられた具体的なエピソードとは?

わたしにとって強く印象に残っているケースでは、ルノアールがご提供しているWi-Fiを使いたいというお客さまですね。現在はワンタップで接続できるようになったんですが(2018年4月に仕様変更)、当時はまだ、一度空メールを送っていただいて、返信されてくるパスワードを打ち込んでもらうという形式でご説明が難しかったんです。お話しされるスピードも非常に速い方で、おそらくWi-Fiが接続できないと訴えておられるんだろうと察することはできたのですが、正確にどこが問題で接続できないのか質問内容がわかりません。何度も聞き返してしまい、お互いにもどかしい空気になりました。結局、接続することができずに諦めて帰られてしまったんです。ヒアリングの難しさと重要性をひしと実感しました。

いまや、外国人観光客にとって、外出先でのネット接続環境は欠かせないものになっています。当店のご利用動機も、Wi-Fiを接続したいという方が非常に増えていると感じています。とくに宣伝してはいないのですが、以前ご利用いただいた外国人のお客さまの口コミなどで、当店でネットに接続できるということが広がっているようです。榎本さんがお話しした例のように、「Wi-Fiを使いたくてここに来たのにつながらない」というトラブルは他店でも少なくありませんでした。

ワンドリンク制などルノアール独特のシステムを 正しく伝えるための専用フレーズ。

お話に登場した、管理職(店長)向けの外国語研修について教えてください。

各店舗の管理者(店長)を対象に、英会話研修を2017年4月~2018年3月の1年間行いました。開催は月1回でしたが、忙しい店長には補講も設けて、全員が全課程を修了できるよう実施しました。この研修では、ルノアールの接客に必要なフレーズを特別に作って英訳したものを基本に学んでもらいました。このルノアール専用のフレーズ集は、指差し会話もできるように各店舗にも配布しています。

どんな専用フレーズがあるのか、具体的に教えていただけますか?

特にルノアール特有なのは、「ワンドリンク制」のご説明ですね。ルノアールではお客さまお一人に必ずワンドリンクのご注文をいただくシステムなのですが、外国人の方にその点をご理解いただけるよう、「いらっしゃったお客さまの人数分のドリンクをご注文ください」という英文のフレーズを用意しています。

この研修は実践に即した内容なので、接客の現場でも非常に役立っているんです。お店に配布頂いたものは、英文と日本語が対になっているので、スタッフも積極的に覚えてくれたり、お客さまとコミュニケーションしています。でも、さらに「どうしてそういうシステムなのか?」と突っ込んだ質問されることもあり…。

そうなると、本社にいる私に「いまこういうお客さまがいらしているが、どう対応すればいいか」と電話が入るんです。ほかにも、モーニングセットのAはお飲み物代に「+60円(税込)」でトースト、玉子、スープが付くのですが、「飲み物はいらないから60円のトーストと玉子とスープだけほしい」と言われたり。なかなか、モーニングのシステムをご説明するのが難しくて、できないとお伝えしても「納得できない」と返されたりしていました。

ほかに、喫茶店の特徴的なフレーズとしてはウェイティング(お待ち)のご案内もあります。たとえば、3~4人のグループでお待ちの場合、席が空いてもそれが2名席ですと、後から並ばれた2人組のお客さまを先にお通しすることがあります。人数の関係でご案内が前後することをあらかじめお伝えし、ご理解を得ておかないとトラブルになりかねません。混雑する時間帯にはよくあるケースですので、こういったウェイティングについてのご説明フレーズも特徴的なものだと思います。

<銀座ルノアールでよく使われる外国語フレーズ>

「セットのドリンクはどれにしますか?」
英語:「Which do you like to drink in the set?」
中国語:「套餐的饮料要哪一个?」

「当店では、お客様全員に一人に一つのお飲み物をご注文頂く必要があります」
英語:「In our shop all customers need to order one drink for each person.」
中国語:「本店需要全体顾客一个人点一个饮料」

「ご注文がお決まりになったらお呼びください」
英語:「Please call me when your order is decided.」
中国語:「如果您决定了您的订单,请叫我」

スタッフの自主学習にも役立つポケトーク。 好奇心が湧くことで、外国人や外国語への苦手意識もなくなる。

ポケトーク導入の経緯を教えてください。

1年間の実践的な英語研修でスタッフの英会話の基礎づくりはできましたが、その先の対応の精度をどう高めていくか、スタッフ自身が自主的に学ぶには何があれば役立つかを考えた時、翻訳機を活用してはどうかというアイデアが社内で持ち上がったんです。そこで、研修が3月で終了することを踏まえて、2月の本社システム部での定例会議にてポケトークのデモ機を試しました。これが非常に性能がよく、形状もコンパクトでいいねという話になったので、さっそく10店舗にテスト導入しました。約2ヵ月間使ってもらい、導入店舗からわたしに使用実感のフィードバックをもらいましたが、評価がよかったので今度は全店舗を対象に、導入したいかどうかアンケートを取りました。結果、116店舗中41店に4月末から導入することになったんです。有楽町駅前店など銀座周辺や、新宿、池袋など外国人客の多い地域の店舗から優先的に導入しています。

導入店でとくに評価が高かったのはどんな点ですか?

「操作が簡単」「使いやすい」という声が最も大きかったですね。「スピーチの声質がいい」という声もありました。ほかの翻訳機も試したんですが、そちらの音声は甲高くておもちゃ的なものでした。ポケトークの音声は落ち着いていて接客業に向いていると感じました。また、過去20回分の履歴をさかのぼれるのが便利という声が多かったです。「またあのご説明を」というときに、よく使うフレーズなら履歴ですぐに確認できる、と。

履歴をさかのぼって確認して、自主学習しているスタッフもいますね。つい先日も、スタッフと「そういえばピーマンって英語ではなんていうのかな?」という話しになって、「ポケトークに聞いてみよう!」と調べたら、「green pepper」でした。こんなふうに、ポケトークのおかげで楽しんで自主学習できるようになりましたね。わたしの店舗にはベトナム人のスタッフもいるのですが、2か国語(ベトナム語と日本語)ができるそのスタッフにベトナム語のポケトークの翻訳結果を見てもらったら、内容も発音も正しいとお墨付きをもらいました。

現場ご担当者としては、ポケトークを使ってみてどのように感じられましたか?

手のひらサイズなのがいいな、と感じました。普段は持ち歩いたりせず、パソコンのそばに置いて大切に取り扱っているのですが、ポケットにも入るサイズは使い勝手がいいですよね。また、座っているお客さまにスタッフは立って接客しますが、とくにポケトークを口のそばまで近づけなくてもきちんと音声認識してくれるので、不都合なく使えました。

ポケトーク導入後に改善された点、ポケトークがあって良かったと思われた場面は?

飲食店のメニューでも、カスタマイズできるのが一般的という欧米の外食文化ならではなのかもしれませんが、「ミックスサンドイッチには何が使われているのか?」「カフェオレのコーヒーとミルクの割合は?」など、食材について詳細な質問される方が多いんです。

これまでは接客をしている中で、お客さまの表情を見て最低限の部分でしかご要望に応えられていないと感じていました。それがポケトークで伝えていただけるようになったことで、細かなところまで汲み取れていると思います。

逆に、ポケトークへの改善希望はありますか?

最初の画面に「お話ください」という表示が出るといいですね。お客さまの前にポケトークを差し出すと、キョトンとされる場合もあるので。こちらがやって見せれば使い方はすぐご理解いただけるのですが、表示があったほうがよりスムーズではないかと思います。

「雨」と「飴」、「橋」と「箸」など、同発音で違う意味の言葉の翻訳が難しいですよね。実際に、「(お金の)おつりです」を「フィッシング」と翻訳してしまったことがありました。長い文章で話せば、文脈からAIが理解するそうですが、「喫茶店モード」などが設定できて、単語でも優先的に確率の高い方を選んでくれるようになればいいなと思います。

今後、どのようにポケトークを活用していきたいですか?

英語研修の先生に言われましたが、外国人観光客の方は喫茶店は地元に根付いているので地域のことをよく知っている、と思われているから、道案内や付近の情報などをよく聞かれるのだ、と。これから2020年に向けてさらに外国人観光客は増加すると思いますが、ポケトークを活用してそういったお客さまにもきちんと対応していけるようにして、日本人のお客さまと変わらないサービスを提供していきたいですね。

いま、ポケトークがあるのだから安心して、外国人のお客さまともどんどんコミュニケーションをとるよう指導しているところです。席のご案内や注文を取る以外の場面でも、もっと自由に話しかけていきましょうと。外国人のお客様は、基本的には明るくコミュニケーションを楽しんでくださる方が多い。ぜひポケトークをそういう場面でも活用していってもらえるようになってほしいと思います。