ユーザーインタビューNo.4 
吉原 宜克様

人生3度目のパタゴニア旅。
言葉が通じると、旅はもっと深く、面白く、豊かになる

吉原 宜克様

長野県野尻湖在住の吉原宜克さんは、日本で最初の総合アウトドアスクール「サンデープラニング(現・ゲストハウスLAMP)」の創業者であり、現在はインストラクターとして山菜採り、きのこ採りを担当されています。今回は趣味の海外旅行で初めてポケトークを使用されました。

1948年生まれ。少年時代よりサイクリングを始め、登山、カヌー、スキーにのめり込む。26歳でアウトドアスクールを長野県野尻湖で開校。世界中の川をパイオニアとして開拓し、独自のカヌー指導法を確立、指導にあたった。1988年、日本セーフティーカヌーイング協会(現・日本セーフティパドリング協会、JSPA)創立に参加し10年間会長を務める。現在は同協会名誉顧問。著書に「カナディアンカヌー」(講談社スポーツシリーズ、1994年)、「自然を楽しむ 歩くスキーハイキング」(本の泉社、2012年)他。

英語がほとんど通じないスペイン語圏。簡単に使えそうと思ったのがきっかけ

――ポケトークは以前から知っていましたか?

吉原さん:はい。もともと海外旅行が好きで、アウトドアアクティビティのインストラクターとしても長年海外に関わって来たので、「AI翻訳機」として知っていました。

――今回ポケトークを購入したきっかけを教えてください。

吉原さん:今年の2月、コロナ禍になってから初めての海外旅行でパタゴニア(※)へ行くためです。私自身は人生で3回目のパタゴニアでした。

スペイン語圏で、英語はほとんど通じません。そして私はスペイン語を話せません。レストランでメニューを聞いたり、ホテルにチェックインしたりするのに、いつも言葉が通じなくて手間がかかっていました。

そこでポケトークを思い出して、機能や使い方を調べていたら「海外に着いたら設定なしですぐ使える」とか「自分の言葉が即時翻訳される」と書いてあって。 私でも簡単に使えそうだと思い、試しに買ってみました。

※南アメリカ大陸の南緯40度付近を流れるコロラド川以南の地域(チリとアルゼンチンの一部)の総称

カヌーインストラクター時代の吉原さん

カヌーインストラクター時代の吉原さん

――今回の旅程を教えてください。

吉原さん:レンタカーで10日間の旅をしました。 アルゼンチンのバリローチェから南下し、西側のチリへ入って再び北上、バリローチェへ戻る時計回りのルートです。

北部のアンデス山脈や、最南端のウシュアイアは有名な観光地ですが、私はすでに訪れているのと、普段なかなか行かれない辺鄙なところを探索する旅のスタイルが好きです。8年前に訪れたときよりは舗装道路が増えてインターネットも通じやすくはなっていましたが、 海外観光客はほぼおらず、英語は全くと言っていいほど通じませんでした。

吉原さんのパタゴニア旅ルート

吉原さんのパタゴニア旅ルート

アルゼンチン側のパタゴニアの風景

アルゼンチン側のパタゴニアの風景

まるで魔法のよう。言葉がわかると、誰とでもいっぺんに打ち解けられる

――今回ポケトークをどのように使いましたか?

吉原さん:ホテルで「近くに美味しいお肉を食べられるレストランはありますか?」、街中で「両替屋さんはどこにありますか?」、レストランで「何がおすすめですか?」など。常にポケトークを持ち歩いて、本当に色々なシチュエーションで使いました。

特によかったのは、 老若男女どんな人のスペイン語でも、違和感のない日本語で返ってくることです。文法的に正しく、理解しやすい。使えるようになってくると面白くて仕方なかったです。

現地の方も、私がポケトークを介してスペイン語で話しかけると、難なく言葉を受け入れてくれました。「(ポケトークを)貸してくれ!」と奪い取るようにして喋って盛り上がったりして(笑) お互いに全然違う母語で話しているはずなのに、一気に打ち解けてしまうのが楽しかったです。

チリで地元の方におすすめしてもらったレストランにて

チリで地元の方におすすめしてもらったレストランにて

「うちの店はこの町でナンバーワンよ!」とレストランのオーナー

「うちの店はこの町でナンバーワンよ!」とレストランのオーナー

ミディアムレアに焼き上がった牛ステーキ。広大な牧草地で育ち赤身が多いのがアルゼンチン牛の特徴

ミディアムレアに焼き上がった牛ステーキ。広大な牧草地で育ち赤身が多いのがアルゼンチン牛の特徴

店員さんがおすすめしてくれた赤ワインと共に、笑顔の吉原さん

店員さんがおすすめしてくれた赤ワインと共に、笑顔の吉原さん

――特に思い出深かったエピソードはありますか?

吉原さん:チリのとあるレストランで昼食をとっていたときです。食べ終わるころに、店員さんが「デザートはどうしますか?」と声をかけてくれました。

私はもうお腹いっぱいでしたが、「フキの茎デザート」があるというんです。 メインの食材は、チリとアルゼンチンに生息する、高さ数メートルにも及ぶ「お化けブキ」のような植物です。現地ではナルカ(nalca)と呼ばれています。

南半球では春にあたる10月頃に収穫し、塩漬けするか冷凍するかしておいて、食べるときはそれを平らにカットし、カラファテ(carafate)のジャムに合わせます。カラファテはパタゴニアに生息する山吹色の花で、その実を食べると「再びパタゴニアに戻って来れる」と言われているそうです。つまりパタゴニアを代表する2大植物のデザートなわけですね。

….と、レストランの店主がポケトークを使って一生懸命に説明してくれるんです。そしたら食べないわけにはいかないですよね(笑)ほのかな甘みがとても美味しい一品でした。

後々わかったことですが、フキのデザートはパタゴニア土着の食べ物のようで、スペイン語で調べないとなかなか情報が出てきません。 ポケトークがなかったら、間違いなく知ることはできなかった文化です。

道端に茂っているnalca(ナルカ)

道端に茂っているnalca(ナルカ)

nalcaの茎のデザート。carafate(カラファテ)のジャムと一緒にいただく

nalcaの茎のデザート。carafate(カラファテ)のジャムと一緒にいただく

会話は心と心の通い合い。言葉が通じると、旅はもっと深く、面白く、豊かになる

――今回ポケトークを持っていかなかったら、どうなっていたでしょうか?

吉原さん:旅の醍醐味は、3分の1くらいに減っていたでしょうね。

今までも色々な国へ旅して、自分の言葉が全然通じなかった経験が何度もありますが、それはそれで面白いんですよね。チャレンジが刺激的なので。ただ 今回のように英語すら通じない僻地で、自分の言葉がなんでも通じる体験をしてしまうと、旅がさらに面白く感じて、もう手放せませんね。

やっぱり現地に住んでいる方と現地の言葉で会話できると、心と心が通じ合う気がします。そして得られる情報量もグッと増えます。携帯で調べてもいいですが、それでは味気ないじゃないですか。

最低限の単語を覚えて何とかしのぐよりかは、きちんと会話をすることで、旅の醍醐味が増して、豊かな旅路になると今回学びました。

現地のパン屋さんで朝食を仕入れる吉原さん

現地のパン屋さんで朝食を仕入れる吉原さん

――ポケトークで仕事も捗ったそうですね。

吉原さん:はい。私はアウトドアのキャリアをつんできて、今は山菜調査を専門としています。旅に出ると必ず、現地の草木や花を調査します。

今回はアルゼンチンのエル・ボルソンという小さな町の本屋さんで、植物図鑑を探しました。店員さんのところ行ってポケトークと取り出し「パタゴニアの植物を調べたいんですが、写真を中心に説明されてる図鑑はありますか」と声かけたら、すぐに「ありますよ、こっちへいらっしゃい」と言われたときは楽でしたね。

私が道中で撮った植物の画像を見せて「この赤い木の実が載っている図鑑が欲しいです」なんて細かなリクエストまでしました。結果、無事に目当ての植物が載っている図鑑を買うことができました。

吉原さんがパタゴニアで手に入れた植物図鑑

吉原さんがパタゴニアで手に入れた植物図鑑

本屋さんで実際に使った会話

本屋さんで実際に使った会話

――今後もポケトークを使いたいと思いますか?

吉原さん:もちろん、そう思っています。スペイン語圏以外の国にも行ってみたいですし、ポケトークを使って世界中旅をするのが楽しみです。

今後もポケトークを使いたいと思いますか?