ASKUL LOGIST株式会社様の場合
アスクル株式会社の物流を担う同社は、2025年8月より、全国の物流拠点において、外国人スタッフとの意思疎通の為にAI通訳機「ポケトークS2」を導入されました。同社最大規模の拠点である関東DC(上尾)では、講習用にSentioも導入され、様々な言葉の壁を取り除き、業務改善に取り組んでいます。
導入推進の窓口である本社人事総務部の米原様、現場責任者の大河戸様、外国人スタッフのズン様・ニュー様よりお話を伺いました。

ASKUL LOGIST株式会社 関東DC外観
導入の背景と目的
Q:ポケトークを導入されたきっかけや背景を教えていただけますか?
A:弊社が運営する複数の物流センターでは、多くの外国人スタッフが働いています。以前から、言葉の壁が大きな課題でした。通訳担当者もいますが、人数には限りがあります。そこで、コミュニケーションを円滑にするツールとしてポケトークを導入しました。日本人指導者だけではなく、外国人実習生にも持たせています。業務への活用だけではなく、外国人実習生が生活する社宅や、業務時間外のコミュニケーション環境を整えるという目的もありました。

人事総務部 総務課 米原様
他ツールとの比較と活用方法
Q:導入にあたって、他の翻訳ツールも検討されましたか?
A:スマートフォンの翻訳機能なども試しましたが、ポケトークの方が明らかに精度が高いと感じ、導入を決めました。
Q:現在、どのような場面でポケトークを活用していますか?
A:端末は、主に、日本人指導者や外国人実習生が持ち歩き、庫内外での様々な会話に使用しており、業務改善のための細かな指示にも役立っています。総務では、外国人スタッフが書類を提出する際や、困りごとを相談に来た時の対応にも活用しています。また、実習生が住む社宅での近隣の方とのコミュニケーションにも使っています。キャッチボールでの会話に向いている端末に対して、長い会話を一方的に伝えることに向いているSentioは、朝礼での伝達事項や、オリエンテーションでの業務指導に使っています。

倉庫内作業時のミーテイングでポケトークを使用している様子
導入による具体的な変化
Q:ポケトーク導入前後で、どのような変化がありましたか?
A:以前は、わからないことがあっても質問をためらうことが多かったのですが、導入後は外国人スタッフが積極的に質問に来るようになりました。業務内容や仕事の進め方に対する理解も深まり、業務の幅の広がりに繋がりつつあると感じています。

上尾物流センター 副センター長 大河戸様
業務効率も向上し、同じ内容の会話でもポケトークを使うことで、所要時間が約5割まで短縮されました。コミュニケーションが円滑になり、認識のずれを防げるようになったと感じています。また、外国人実習生には理解しにくい日本の商品表示やマニュアルの内容も、ポケトークのおかげで正確に伝えられるようになり、間違いが減り、業務の生産性が上がりました。
また、ポケトークの履歴保存を活用すると、日本語が流暢ではない外国人実習生にとって、使用された日本語の会話文を確認したり、練習できるので、日本語学習にも役立てられます。自発的な行動を促すツールだと実感しています。

作業場所で、ポケトークを使用して会話している様子
Q:ポケトークのカメラ翻訳機能は使われていますか?
A:はい、使っています。倉庫内の掲示物やマニュアル、段ボールに書かれた文字の翻訳に活用しています。カメラ翻訳も、音声翻訳も、履歴に残るので、振り返り確認に活かせることも良い点です。
Q:ポケトークのお気に入り機能は使われていますか?
A:当初は知りませんでしたが、とても便利そうです。繰り返し指示や確認をする内容がある為、特に日本人の現場管理者にとっては活用できると思います。
Q:ポケトークアナリティクス機能は使われていますか?
A:はい、本社において、各拠点へ配布した端末の管理や、利用状況の確認・分析に役立てています。導入して間もないですが、運用が定着した後は、拠点ごとの責任者にも自拠点の分の端末について管理させることを視野に入れております。

リーダー層向けポケトーク導入説明会の様子 - これにより、定着や他拠点への横展開を図る
ポケトークの機能と将来的な活用
Q:ポケトークの精度はどれくらい信用できますか?
A:感覚値ですが、9割以上は常時、伝わっていると感じています。ネイティブと話しているような感覚に近く、かなりスムーズにやり取りできます。
Q:今後のポケトークの活用について、何かアイデアはありますか?
A:マニュアルの作成に活用したいと考えています。ポケトーク端末のお気に入り機能の活用、Sentioの履歴ダウンロード機能の活用、両方可能だと考えています。動画での教育や、マニュアル作成が、より効率的にできると思っています。
導入を検討している企業へのメッセージ
Q:ポケトークの導入を検討している企業へメッセージをお願いします。
A:(拠点責任者) 現場でのコミュニケーションツールとしてポケトークを導入すれば、業務の効率化だけでなく、外国人スタッフとの人間関係も深められると思います。それが仕事へのモチベーション向上にも繋がり、人材の定着をもたらします。
A: (本社) 物流事業においては外国人スタッフの方の活躍が大きな力となります。言葉の壁に対する不安が少なく、より安心して働ける環境(心理的安全の高い環境)を提供できることは事業に大きなメリットがあり、業界全体の進歩にも役立てられると考えております。
外国人実習生へのインタビュー

外国人スタッフのズン様・ニュー様
Q:ポケトークを導入して良かったことは何ですか?
A:以前は仕事のやり方がわからず、通訳の方に頼ってばかりでした。ポケトークを使うようになってからは、自分で上司や先輩に質問できるようになり、仕事への理解が深まりました。また、コンパクトで軽いので、ポケットに入れて持ち歩けるのがとても便利です。

ポケトークを作業用のポケットに常に収納して活用されています
Q:今後ポケトークでチャレンジしたいことはありますか?
A:はい。業務そのものに加え、日本語の学習にポケトークを使い、上達を早くしたいです。また、インドネシアやネパールなど、さまざまな国から来た実習生とポケトークで話すことで、お互いの国の文化や言語について知る良い機会にできると思います。
2025/10/15公開