ケン・ホテルマネジメント金沢 の場合

「小京都」との異名を持ち、海外からの観光客が堅調に増加する金沢において、”まるで美術館”なホテルを運営する株式会社ケン・ホテルマネジメント金沢様が、外国人のお客様との会話用にAI通訳機ポケトークを導入されています。
ミシュランガイド5つ星の評価を得ている「THE HOTEL SANRAKU KANAZAWA」 にお伺いし、管理部の荒木様と、フロントスタッフの斉藤様に、ポケトークの導入背景や活用方法、導入後の変化等についてお話を伺いました。
導入の背景と目的
管理部の荒木様
Q. ポケトークを導入されたきっかけや背景について教えていただけますでしょうか。
A. ご宿泊のお客様のうち、インバウンドのお客様が5割を超えるような日々が増えてきたことが直接のきっかけです。ありがたいことではありますが、その分コミュニケーションの部分でお客様にご不便をおかけしたり、スタッフの負担が増していると感じていました。そこで、何か良い通訳機器はないかと探し、実績が多いポケトークにたどり着きました。
導入前は、外国籍スタッフで中国語などが話せる者がいる時は対応できましたが、不在時は、身振り手振りやたどたどしい英語で対応していました。特に、中国語しか話せないお客様のチェックインやレストランの予約代行といった依頼の際に手間取っていました。
インバウンドのお客様の状況
Q. 現在、インバウンドのお客様の受け入れ状況を教えていただけますでしょうか。
A. 海外からのお客様はだいたい全体の半数近くです。欧米圏の方が多くいらっしゃる印象ですが、時期によっては1月のように中国圏のお客様が増えたり、今はイスラエルのお客様もたくさんいらっしゃっています。おおまかな内訳は、欧米4割、中東系とアジア系が2~3割ずつです。
ホテルが開業したばかりの頃(2022年末)は、国内のお客様が7割ほど、海外のお客様は多くて3割ほどで、英語を話される方が大多数でした。しかし、現在は、中国語しか話せないお客様や、英語ネイティブではないお客様、「どの言語だろう」と分かりかねる言語を話されるお客様も多くいらっしゃいます。そのような時に、母国語で会話ができるポケトークを非常に活用しています。
フロントスタッフの斉藤様
ポケトークの具体的な活用シーンと効果
Q. ポケトークはどういった場所・用途で使われていますか?
A. フロントレセプション、レストラン、クラブラウンジにポケトークを常時設置して活用しています。実に様々な場面がありますが、日頃から活用しているシーンはこのようなものがあります:
- フロントでは、主にチェックインのやり取りや、レストランの予約代行などに使っています。
- 精算時の「何々代、おいくらです」「お支払い方法はいかがなさいますか?」といった、ご案内系のフレーズにも活用しています。
- お客様に話しかける際、「何かお手伝いしましょうか?」といったお声掛けや、そもそも何語を喋られているか分からない時にも使っています(英語で「どちらからお越しですか?」と尋ねたり、言語選択画面で国旗一覧から選んで頂いたり)。
- 宿泊客の電話対応もございますが、「できるタイミングでフロントへお越しください」と伝え、実際にお越しいただいてからポケトークでやり取りし即決するケースがほとんどです。
- レストランやラウンジでは、アレルギー対応や、置き場所が異なる冷たい飲み物に関する説明などのほか、カメラ翻訳で食事のメニューなどの翻訳にも使っています。地元特有の季節の食材も、しっかり伝えられることが増えて嬉しいです。
- お気に入り機能で、お声掛けやご案内によく使うフレーズを保存し、効率よくお伝えすることを心がけています。会話だけではなく、カメラ翻訳の結果も履歴に残せるので、英語や中国語など、いくつかのパターンで保存しておき、パッと取り出せるようにしています。
- 持ち歩きにも使っています。お部屋までのご案内中など、少し間がある時、滞在中のご予定をお尋ねしたり、お客様のご要望に応じて行き先をお勧めしたりと、プライベートな会話を楽しんで頂くことにも活用しています。
フロントでポケトークをご活用いただいている様子
外国語で説明が難しい宿泊税も、ポケトークなら簡単に通訳
Q. ポケトーク導入前と比べて、効率や接客の質に変化はありましたか?
A. すごく楽になりました。話すとすぐに翻訳され、スマホで翻訳サイトやアプリを都度立ち上げる手間もかかりませんし、スマホでの翻訳よりも正確です。結果的に、効率は大きく上がった印象で、同じ会話に必要な時間が半分ぐらいに短縮されています。
さらに、ポケトークを使うことで、お客様との「もっと深い話」もできるようになったと感じています。例えば、「今日はどちらからいらっしゃったんですか?」「次はどこへ行くんですか?」といったプライベートな話です。それにより、お客様の安心感が生まれていることを肌で感じています。
以前は、言葉が通じないので、お客様も遠慮して質問されないことが多かったですが、ポケトークを通じて話せるようになったおかげで、お客様が様々なご要望を伝えたり、お喜びの言葉をいただいたりと、大きな変化がありました。お客様の満足度の高まりを非常に感じています。
Q. スタッフの方々にとって、ポケトークはどのような存在になっていますか?
A. 英語が得意なスタッフもいれば、不得意に感じているスタッフもいます。お客様への「おもてなしの気持ち」があっても、言語が伝わらないがために物怖じしていたところがあったのですが、ポケトークがあると思うと、それを握りしめてとても格好よく接客をする姿を見受けられるようになりました。スタッフにとっても、大きな助けになっています。
フロント裏にポケトークをセットし、すぐ使えるようにご準備されています。
今後の展望と期待
Q. ポケトークに期待する役割や今後の展望についてお聞かせいただけますでしょうか。
A. お客様とのコミュニケーションがスムーズになることで、顧客満足度の向上を感じています。今来ていただいているお客様以外にも、色々な国々からより多くのお客様に来ていただけるようになるのではないかと期待しています。また、「ポケトークを置いていますよ」という存在を知らせることで、お客様の安心材料になるとも感じており、積極的にお知らせしたいと考えています。
Q. ポケトークの導入を検討されている企業様へのメッセージをお願いします。
A. ポケトークを導入したことで、スタッフのストレス軽減にも、お客様の満足度向上にも繋がっております。特に、日本人であれば細かい会話が発生するであろう宿泊業のお客様には、広く役立つと考えています。どんなホテル様でも、おもてなしに力を入れている、入れたいと考えているものと思いますが、ポケトークは丁寧な言葉遣いをしっかり拾っていただけるので、ぜひ、コミュニケーションの効率化だけでなく、質の向上という意味で導入を検討されることをお勧めします。
宿泊のお客様が利用するラウンジにもポケトークを導入いただいています
優雅な中庭 – 「外に出てご覧になりますか?」と、ポケトークでお客様にお声かけをされることもあります
2025/10/29公開