―介護人材育成に向けた新しい学びの形―
日本の介護現場では、深刻な人材不足が続いています。
その解決策のひとつとして、外国人材の受け入れが注目されており、教育現場でも対応が求められています。
東京福祉専門学校は、国家資格である介護福祉士の養成課程を持つ専門学校です。
近年、留学生の受け入れが急増しており、日本語で行われる専門的な授業を理解できるよう、ライブ通訳機能を備えた「Sentio ポケトーク for スクール」を導入しました。
介護の専門用語は、日常会話や日本語学校で学ぶ内容とは異なり、留学生にとって大きな壁となります。
そこで同校では、言語のハードルを下げ、学びの質を高めるためにポケトークを活用しています。
今回は、教員と留学生それぞれの声を紹介します。
―教員の声―
Q:導入の背景を教えてください
留学生には日本語学校の卒業を入学条件としているため、日常会話程度の日本語力は備えています。
しかし、介護の専門用語は日本語学校では学べないため、授業の理解に苦労する場面がありました。
当校では留学生を介護福祉士として育成し、業界に輩出することで、介護人材不足という社会課題に貢献したい―そのような思いで教育に取り組んでいます。
Q:ポケトークを導入して学生の理解度は上がりましたか?
導入前と比べて、授業の進行が半分ほどの時間でスムーズに進むようになりました。
特にグループワークでは、以前は「何の議論をすればいいのか」を日本人学生が説明してから始まっていましたが、今ではポケトークで即座に理解できるため、すぐに議論に入れます。
結果として話し合いの時間が増え、知識の深まりに直結しています。
Q:日本人学生には影響がありましたか?
これまでは日本人学生が留学生をフォローする場面が多かったのですが、学習内容が難しくなるにつれて余裕がなくなることもありました。
ポケトークの導入により、日本人学生のサポートの負担が軽減され、各自が学習に集中できるようになりました。
Q:導入して改善したことを教えてください。
国籍による学習の差が埋まり、全員が同じスタートラインに立てるようになったことは、大きな改善点と捉えています。
Q:導入後の学生の意欲や成果に変化はありますか?
導入して数ヶ月ですが、学生たちの自信が明らかに高まっています。
授業ごとの小テストでも、ポケトークを活用している留学生の方が高得点を取る傾向が見られます。
言葉の壁を乗り越え、全員が国家試験に合格できることを目指しています。
―留学生の声―
Q:どういった場面で翻訳を活用していますか?
介護の勉強をしていると、日本語学校では習わない専門的で難しい言葉が多く出てきます。
そうした時に、ポケトークの翻訳はとても分かりやすく、助けになっています。
東京福祉専門学校では、国籍や母国語に関係なく、すべての学生が介護福祉士の国家試験に合格し、質の高い人材として社会で貢献できるよう、教育環境の整備に力を入れています。
「Sentio ポケトーク for スクール」の導入により、授業の理解度が向上し、留学生・日本人学生の双方が学びに集中できる環境が整いました。
ポケトークは、単なる翻訳機を超えて、教育の公平性を支え、学生たちの自信と学びの質を支える存在となっています。
これからも多様な学習者をサポートし、未来の介護現場を担う人材の育成に大きな役割を果たしていくでしょう。