グローバルな事業展開を支える「言葉の壁」を越える挑戦 株式会社DEGICA様、イノベーションアワード受賞インタビュー

「ポケトーク」製品を活用し、革新的な取り組みで多言語コミュニケーションを実現している企業を表彰する「ポケトーク イノベーションアワード」。この度、本賞を受賞されたのは、デジタル決済プラットフォーム「KOMOJU」を開発・運営する株式会社DEGICA様です。社員の約半数が外国籍というグローバルな環境において、AI通訳機「ポケトーク」やAI同時通訳「ポケトーク ライブ通訳」を、単なる業務ツールとしてだけでなく、社員の日常生活や学習にまで活用することで、同社の成長と組織の活性化に繋げています。
今回は、DEGICA様のHR Vice Presidentである濱根様とHRの善積様に、「ポケトーク」導入の背景や活用方法、そしてイノベーションアワード受賞について詳しくお話を伺いました。


(写真左から)HR 善積様、HR Vice President 濱根様、CFO 大澤様

多様性を組織の力に変えるための「言葉のサポート」

― この度は、おめでとうございます。まず、外国籍の社員が非常に多いDEGICA様において、「ポケトーク」導入前はどのようなコミュニケーションの課題がありましたでしょうか?

濱根様: まずは、このようなアワードを頂きありがとうございます。ご指摘の通り弊社の従業員の約半数が外国籍です。日本と海外をつなぐグローバルな決済代行サービスを展開する弊社にとって、多様な人材を確保することは単なる価値観の問題にとどまらず、事業目的を達成するために不可欠な条件です。とはいえ、現実的な問題として、日英両方の言語に精通する人だけで組織を作ることは実質的に不可能であり、結果として国籍を問わず、誰もが何らかの言語的不安を抱えた状態で働くことになります。弊社の場合海外から直接日本に招聘する外国籍社員も多い一方で、日本人スタッフの間でも、どんどん英語話者が増えていくことに戸惑いが広がっていました。

― グローバルな環境だからこその「言葉の壁」という課題に対して、AI通訳機「ポケトーク」とAI同時通訳「ポケトーク ライブ通訳」の導入はどのように貢献しましたか?

濱根様: 言語的な支援という観点で、「ポケトーク」は極めて重要な役割を担っています。もちろん弊社では語学研修もかなり積極的に行っていますが、ビジネスの現場では「今すぐに確実に通じる」ことが求められる場面が多くあります。たとえば、外国籍のエンジニアが急遽、日本の金融機関との打ち合わせに同席するようなケースでは、言語的準備に時間を割く余裕がなく、信頼性の高い通訳手段が不可欠です。そうした際に、「ポケトーク」は即応性と多様なシーンへの対応力を兼ね備えたツールとして、大きな助けとなっています。

― 実際に、社員の皆様は「ポケトーク」をどのように活用されていますか?

濱根様: 「ポケトーク」は業務の枠を超え、社員の日常生活においても活用されています。たとえば病院での診察対応や、近隣に住む非日本語話者との日常的なコミュニケーションなど、職場外でも言葉の壁を越える支援ツールとして自然に浸透してきました。実際、ある社員のご家族が体調を崩した際には、「ポケトーク」を使って医師と適切に意思疎通を図ることができ、必要な処置を受けることができたという報告もありました。こうした実例は、言語支援が業務効率だけでなく、社員とその家族の安心にも直結していることを物語っています。

業務の領域を超えた価値創造:社員の安心と成長をサポート

― 「社員の日常生活や学習にも用いていただく」という点が、今回のイノベーションアワードの選考理由の一つにもなっています。この点について、どのようにお考えですか?

濱根様: 私たちは、社員が安心して働ける環境を整えることが、最終的には組織全体のパフォーマンスを支える基盤になると考えています。とりわけ、日本で働く外国籍社員にとっては、言語の壁が日常生活にも及ぶ深刻な不安要素となり得ます。そこで「ポケトーク」を業務外でも自由に利用できるようにすることで、仕事と生活の両面において言語的な不安を軽減し、社員一人ひとりが自律的に安心して過ごせる環境を提供することを目指しています。これは単なるツールの提供にとどまらず、“言葉の不安を放置しない”という組織としての姿勢の表明でもあります。

善積様: 語学学習のサポートにも力を入れており、語学学校の受講を支援したり、社員同士が交流できるEnglish Cafeや日本語カフェといったイベントも開催しています。「ポケトーク」が、そうした学習のモチベーション維持にも繋がればと思っています

濱根様: 実際に「ポケトーク」を導入して以降、社員の語学学習に対する意識の高まりを明確に感じています。昨年一年間の英語学習総時間は800時間を超え、今年はそれをさらに上回るペースで推移しています。英語が徐々に社内の共通語として定着しつつある中で、「ポケトーク」の存在が言語的な不安を一時的に和らげるだけでなく、学習への心理的ハードルを下げ、自発的な取り組みを促す後押しになっているのではないかと捉えています。ツールの活用が、社員個々の成長と組織の学習文化形成に結びついている点は、非常に意義深いと感じています。

採用の可能性を広げ、組織の多様性を加速

― 採用活動においても、「ポケトーク」は活用されていますか?

濱根様: かつては、日本語と英語の双方に高いスキルを持つ人材しか採用の対象にならず、グローバル化が進む中でも、言語要件が採用のボトルネックとなっていました。しかし「ポケトーク」の導入により、現在ではどちらか一方の言語に強みを持つ優秀な人材にも門戸を開くことが可能となりました。これは、採用可能な人材セグメントを大きく広げただけでなく、言語的不安を抱える候補者に対して「私たちはその不安に向き合う組織である」という明確なメッセージを発信することにもつながっています。とりわけ、異国の地で新たなキャリアを始める人材にとって、入社前から心理的安全性を感じられる環境を提示できることは、企業としての大きな競争力になっていると実感しています。

コミュニケーションの未来へ:更なるイノベーションへの挑戦

― 今後、「ポケトーク」を活用して実現したいことはありますか?

濱根様: 組織が拡大するにつれて、マネジメントやチームリーダーから複数のメンバーへ向けた「1対N」のコミュニケーションの頻度や重要性が確実に増していきます。特に多国籍な構成を持つ当社においては、言語や文化の壁を越えて、意図を正確かつ平等に伝える仕組みを整えることが、組織運営の基盤となります。その意味で、今回ご紹介いただいたリアルタイム共有機能などは、1対1を超えたスケールでの情報伝達を支える重要なインフラとなり得ると考えています。加えて、私たちは日常業務だけでなく、社員同士が自然に多言語でコミュニケーションできるような文化の土壌づくりにも取り組んでいきたいと考えています。たとえば、カジュアルな社内イベントや、語学を媒介とした交流の機会を通じて、言葉の違いを“隔たり”ではなく“可能性”と感じられる組織文化を醸成することが、これからの成長フェーズにおいて極めて重要だと捉えています。

― 最後に、「ポケトーク」の導入を検討されている企業様に向けてメッセージをお願いします。

濱根様: 「ポケトーク」の導入は、思っている以上にハードルが低く、短期間で効果を実感できる取り組みだと感じています。特に、グローバル化を進めたいと考える企業や、多様な人材が協働する環境を整えたい企業にとっては、“言葉の壁を可視化し、それに対処する”という行動自体がマネジメントの意思を示す強いメッセージになります。言語的な安心感は、単に働きやすさを向上させるだけでなく、組織全体のエンゲージメントや成長意欲にも確実に影響を与えます。ですので、「まずは小さく始めてみる」ことの価値は想像以上に大きいと考えています。完璧な設計よりも、まず一歩踏み出すこと、組織として“向き合う姿勢”を見せることが何よりも大切だと思います。「ポケトーク」のようなツールの導入はその点で、多くの場合有効打となりうるのではないでしょうか。

DEGICA様の、社員一人ひとりに寄り添い、言葉の壁を越えることで組織の可能性を広げる革新的な取り組みは、多くの企業にとって参考になる事例です。

ポケトーク株式会社は「言葉の壁をなくす」をミッションに掲げ、相手の言葉を話せなくても互いに自国語のまま対話でき、深くわかり合える世界の実現を目指して「ポケトーク」シリーズの提供を世界中に広げてきました。今後、更に日本か ら世界に挑戦する企業をサポートすべく“ビジネスにおける「言葉の壁」”にも着目し、より一層日本発のビジネスが躍進 すべく、導入を拡大していきます。

株式会社DEGICA様、この度は誠におめでとうございます。

2025/06/17公開