ユーザーインタビューNo.6
山本 裕史様

公私共に同伴してくれる「優秀な通訳者」。
国際学会の対話効率が3倍UP

藤澤 敬悦様

核エネルギー関連のエンジニアとして働く山本さんは、再生可能エネルギー・放射線関連のODA業務に従事されており、ヨーロッパを中心に開催される国際学会へ年に数回参加されています。またフィリピン、ネパール、ミャンマー等への出張、ご自身の研究発表や意見交換を行ってきました。

海外旅行も好きで、学会が開催される国の中で観光地化されていない場所を開拓するのが醍醐味だそうですが、実は日本語しか話すことができないそうです。

外国語を使う機会の多い山本さんが、普段の生活でどのようにポケトークを活用されているかお話を伺いました。

公私共に同伴してくれる「優秀な通訳者」。

――ポケトークを購入された背景を教えてください。

山本さん:私は普段、核エネルギーの放射線エンジニアリング分野に携わっており、年に3〜4回ほどドイツ、イタリア、スイスを中心に行われる核エネルギー関連の国際会議に参加しています。

海外出張だけでなく、日本に海外の専門家がやってきて議論する機会も多いのですが、私は日本語しか話すことができません。

以前は技術翻訳の方をつけていましたが、プライベートの日常会話までずっと通訳を依頼することはできません。また特に仕事においては、自分の言葉で伝えるからこそメッセージに意味や強さが現れると意識しているので、母語の発言をより自然に伝えたいと思い購入しました。

ポケトークは印象的なテレビCMで5〜6年前から知っていましたが、大好きなガンダムモデル(※)が出たときに即決しました(笑)

※『機動戦士ガンダム』の40周年コラボ企画(2019年)として、ポケトークS 機動戦士ガンダム「アムロ特別版」と「シャア特別版」の2種類が発売。2023年5月現在は完売しています。詳細はこちらからご覧ください。

世界各国の専門家が集結し、分野についての議論・発表がなされる

世界各国の専門家が集結し、分野についての議論・発表がなされる

――国際学会ではどのようにポケトークを使っていますか?

山本さん:学会は2週間ほど続きまして、その間、ポケトークを常にセットで持ち歩くようにしています。

内容としては、プレゼンテーションやパネルディスカッション、また自身の研究内容を貼り出すポスターセッションなどがあります。

私は専門分野である放射線計測などの技術情報の発表と意見交換をメインに行ないます。多いときは参加者が3,000名を超えることもあります。

ベルギーで開かれた国際学会の様子

ベルギーで開かれた国際学会の様子

ポスターセッションでは自分の研究内容をまとめたポスターを2時間ほど貼り出すのですが、その間にさまざまな国の方が興味を持って話しかけてくださるので、ポケトークで対応しています。

核開発・放射線関係の分野は、ドイツ、フランス、ウクライナ、イスラエルあたりが先行しているので、そうした国からの方々が多いんです。必然的にポケトークで翻訳する言語も、英語以外ではドイツ語、フランス語などが主になります。過去にはロシア語も使ったこともありました。

ポスターセッションの様子

ポスターセッションの様子

――ポケトークがあって特に良かった点を教えてください。

山本さん:深く議論ができる点と、コミュニケーション時間の節約になっている点です。

ポケトークを手に入れる前は、携帯の翻訳アプリを駆使して、1時間あたり2〜3人と会話するのが限界でした。身振り手振りで伝わらないときは、単語や簡単なイラストを紙にメモして説明するなど工夫をしていました。

相手も私の意図を理解しようと努力はしてくれるのですが、「あなたが言っているのはこういうことですか?」と確認するやりとりにも時間がかかります。結果、正しく伝わり切っているか曖昧なまま終わらせてしまうこともありました。

一方でポケトークを活用すると、同じ1時間でも会話できる人数が一気に10人まで増えます。体感的にはポケトークを使用する前と比べて3倍以上も効率化されています。

また同時に、一人ひとりとのコミュニケーションの質もグッと上がりました。

大抵はその場で触りだけ説明して、詳しいことはメールでやりとりしましょうと連絡先を渡すのですが、ポケトークがあると対面ですでにレベルの高い話ができているので、その後のメールコミュニケーションへ移った後は、早い段階で踏み込んだ会話を続けられるんです。

私たちは通常、原子力エネルギーに対する各国の世論や、日本の国家政策関連など、業界における非常に込み入った話もします。わからない外国語を曖昧な理解で終わらせず、母語レベルでしっかりと「議論」できている印象です。

――学会ではポケトークよりも専門通訳を必要とする場面はないのですか?

山本さん:以前は専門通訳の方に同行してもらったこともありました。

ただ大前提、通訳の方の言葉を介すと、どうしてもその通訳者の解釈が組み込まれた言葉で伝わってしまいます。また、本来会話をすべき相手との言葉のキャッチボールが遅くなります。一方ポケトークは話した瞬間に言葉が翻訳されるのでタイムラグを最小限に抑えられます。

確かに、特殊な専門用語が連なると100%正しい外国語で翻訳されないこともありますが、それでも相手は内容を汲み取ってくれます。こちらもインプットする日本語を簡潔かつ明確にするなど工夫すれば、難しい専門用語を並べても翻訳エラーはほとんどありません。

正直今は、通訳をつける必要もあまりなくなってしまいました。

――ではポケトークが山本さんにとっての「通訳者」になっているのですね。

山本さん:本当にその通りですよ。

外国人の方が日本に来て打ち合わせをするときも、私が海外の学会へ参加するときも、いつも「これが私の通訳です」とポケトークを紹介しています。仕事でもプライベートでも同伴してくれる、優秀な通訳者です。

以前ドイツで学会が終わった後、プライベートで友人の家族とのディナーに招待されました。友人の両親や兄弟姉妹も一緒にテーブルを囲んでもてなしてくれるのですが、彼だけが英語を話せて、他のご家族はそうではありませんでした。このように同じ空間で言語ギャップが生じているときに、ポケトークを使って彼らの母語で会話できると、会話に置いてけぼりになる人が出ないので重宝しています。

今年はイタリアのボローニャで学会があったので、家族同伴で渡航しました。家族も英語やイタリア語は話せません。ですが、イタリアに来たなら本場のピザ・パスタ・ドルチェを堪能しよう!と適当なリストランテに入り、出てきた料理はどれも絶品でした。ポケトークがなかったら、自然と「英語が通じそうな店」を探していたでしょう。ローカルの美味しいものに出会う機会を逃していたかもしれません。

「これ一つさえ持っていれば、いつどんなシチュエーションでも言葉の壁は乗り切れる」と感じられるのはやっぱり心強いですね。

ボローニャのレストランにて

ボローニャのレストランにて

――プライベートでもポケトークを使われていますか?

山本さん:はい、学会の用事が終わったら、そのまましばらくその国に滞在して旅をしています。

私はいわゆる観光名所にはあまり行かず、路地裏を歩いたり、行ったことのない僻地を開拓する冒険的な旅のスタイルが好きです。ただそうするとやはり英語が通じないことの方が多いです。

先日、ドイツの学会が終わった後、夜に散歩をしていたんです。丁度LGBTイベントがあった日で人々が繰り出し、街がいつもより騒がしくなっていました。そうしたら突然、誰もいない路地裏で警察官が2人組で近づいてきて、ドイツ語で何か話しかけてきました。ポケトークを差し出して喋ってもらうと「この時間に何をしているんだ」と翻訳されたんです。なんてことない、事情聴取でした。私もすかさずパスポートを取り出し、ただ散歩していただけだという旨を伝え、すぐに事なきを得ました。

異国で外国人が一人歩いていると目立ちますし、わからない言葉で急に話しかけられたら怖い思いをするのは当然です。そこですかさず相手の言葉が自分の母語に置き換わり、何を求められているのか理解できるだけで心の不安は取り除かれます。焦ることなく危険を回避できてよかったと思います。

――今後もポケトークを使っていきたいですか?

山本さん:もちろんです。またすぐに海外で学会があるので、通訳を任せようと思います。今後もさまざまな国で活用していくのが楽しみです。