ポケトーク S2 / S2 Plus ホワイトペーパー

1.0.0版 (改訂日 : 2024年10月16日)
ポケトーク株式会社

1. 基本情報

1.1 サービスプロバイダー

ポケトークは、ポケトーク株式会社によって設計および販売されています。

1.2 認証

ポケトークおよびポケトークのクラウドサービスは、ISO 27001、ISO 27017、およびGDPRおよびHIPAAを取得しています。

1.3 データフロー


<図 3. ポケトーク S2 ハイレベルシステムアーキテクチャ>

<図 1. ポケトーク - 翻訳データフロー>

1.4 ユーザーデータ

ポケトーク端末は、以下のユーザー関連データを保存します。

【重要】 これらのデータは、デバイスのローカルストレージにのみ保存されます。

  • 翻訳履歴(音声認識されたテキスト)
  • 翻訳履歴(翻訳されたテキスト)
  • 翻訳履歴(音声合成されたオーディオ)
  • デバイス設定ユーザー設定

お客様は、いつでもデバイスの設定メニューから上記を削除/リセットできます。

2. 特徴

2.1 主な特徴

2.1.1 音声翻訳と対応言語

リアルタイム双方向音声翻訳:デバイスに話しかけると、指定した翻訳先の言語で即座に翻訳されます。
80以上の言語に対応:グローバルコミュニケーションのために幅広い言語をカバーしています。

2.1.2 カメラ翻訳と対応言語

画像からテキストを翻訳:搭載されたカメラで写真を撮ることで看板やメニュー、書類などを翻訳できます。
50以上の言語に対応:読めない文字や文章をテキスト翻訳して理解可能にするために、主要な言語に対応しています。

2.1.3 グローバルコミュニケーション

内蔵eSIM:国外で利用する場合でも現地のSIMカードを必要とせず、内蔵SIMが 170 以上の国と地域で自動的にインターネットへ接続します。

2.2 製品仕様

スペック ポケトーク S2 ポケトーク S2 Plus
寸法 [mm 高さ×幅×奥行] 91.6 × 53.8 × 11.5 123 × 65 × 11
重量 [g] 75 125
画面サイズ [インチ] 2.8 3.97
画面解像度 [px 高さ×幅] 640 × 480 800×480
本体色
バッテリー リチウムイオンバッテリー
バッテリー容量 [mAh] 1200 1550
充電 USB Type-C
入力電圧:最大5V
入力電流:最大2A
Bluetooth 4.2
SIMカードスロット nano SIM
データ通信方式、サポート周波数帯域 3G
[W-CDMA] 1/2/5/6/19
4G
[FDD-LTE]
1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/20/25/26/28B
[TD-LTE] 38/39/40/41
Wi-Fi IEEE802.11a/b/g/n
2.4GHz:1~11ch
5GHz:5.2GHz(W52)、5.3GHz(W53)、5.6GHz(W56)
スピーカー × 2 × 1
マイク ノイズキャンセリング機能付きデュアルマイク
カメラ × 1
保管温度 -20℃~45℃(結露なきこと)
動作温度 0℃~40℃(結露なきこと)
連続待機時間 179時間 213時間
充電時間 75分 105分
ワット時定格 [Wh] 4.56 5.89
音声翻訳のサポート言語 音声およびテキスト:91言語
テキストのみ:1言語
カメラ翻訳のサポート言語 56言語
対応エリア 170以上の国と地域
パッケージ寸法 [mm 高さ×幅×奥行] 138.8 x 139.7 x 36.5 mm 176.3 x 139.7 x 36.5mm

2.3 取扱説明書、マニュアル、安全情報

オンラインマニュアルをご参照ください。
https://pocketalk.link/support

3. サポート

3.1 お客様への通知について

公式ウェブサイト:最新のニュース、アップデート、およびFAQは、ポケトークの公式ウェブサイトで入手できます。
メール通知:お客様は、メールで重要な情報とアップデートを受信するようにオプトインできます。

3.2 トラブルシューティング

セルフサービス用のリソース:
一般的な問題や製品のトラブルに対する解決策については、まず以下のリソースをご確認いただくことをお勧めします。

カスタマーサポートへの連絡方法:
セルフサービスリソースで問題が解決しない場合は、以下のお問い合わせ窓口からサポートに連絡できます。

URL
アメリカ https://www.pocketalk.com/contact-us
EU https://www.pocketalk.com/en_eu/contact-us
イギリス https://www.pocketalk.com/en_gb/contact-us
フランス https://www.pocketalk.com/fr_fr/contact-us
ドイツ https://www.pocketalk.com/de_de/contact-us
イタリア https://www.pocketalk.com/it_it/contact-us
スペイン https://www.pocketalk.com/es_es/contact-us
日本 https://pocketalk.my.site.com/public/s/contactsupport?language=ja

3.3 実装と運用

ポケトーク端末は箱から出してすぐに使用できます。 追加のソフトウェアのインストールや複雑なセットアップなどは必要ありません。 またお客様にはデバイスの機能と操作に慣れていただくよう、クイックスタートガイドとチュートリアルビデオをオンライン上で提供しています。( https://pocketalk.link/support

4. セキュリティフレームワーク

ポケトーク端末は、リアルタイムで正確な言語翻訳を容易にし、グローバルコミュニケーションを強化するように設計された最先端のツールです。 当社のデバイスは、Android OSの柔軟性と広範なセキュリティ機能を活用し、エンタープライズ顧客のニーズに合わせて調整されています。 デバイスには、Google Play、Google ChromeなどのGMS(Googleモバイルサービス)や、サードパーティのアプリはありません。 お客様向けのすべてのアプリは、ポケトークのデジタル署名によって開発、テスト、および署名されています。

4.1 デバイスセキュリティ

4.1.1 セキュアブートとVerified Boot

セキュアブートは、デバイスが信頼できるデジタル署名によって署名されたファームウェアとソフトウェアのみを実行することを保証します。 これにより、不正なソフトウェアがブートプロセス中にロードされるのを防ぎ、ローレベルの攻撃から保護し、OSが改ざんされていないことを確認し、マルウェアや不正な変更から保護します。

<図 2. ポケトーク - ブートプロセス>

4.1.2 デバイスの暗号化

デバイスは、デフォルトでFBE(ファイルベース暗号化)AES-256-CTSを採用しており、すべてのデータを保護します。

  • 粒度の細かい保護
    ポケトークのコンテキストでは、FBEはよりターゲットを絞った保護を提供します。 ユーザー設定や翻訳ログなどの機密データは、システムファイルとは独立して暗号化されるため、デバイスの電源が入っている間に侵害された場合でも、このデータは安全な状態に保たれます。
  • パフォーマンス効率
    FBEはアクセス時に特定のファイルのみを復号化するため、起動時にディスク全体を復号化する必要があるFDE(フルディスク暗号化)と比較して、パフォーマンスへの影響を軽減できます。

4.2. アプリケーションセキュリティ

4.2.1 アプリケーションサンドボックス

各アプリケーションは、他のアプリケーションやシステムリソースへの悪意のあるアプリケーションのアクセスや改ざんを防ぐために、隔離された環境で実行され、攻撃対象領域を削減し、侵害されたアプリケーションの潜在的な影響を最小限に抑えます。
ポケトークはサードパーティのアプリケーションのインストールを許可しません。これはカスタムAndroidファームウェアレベルによって保護されています。

4.2.2 不要なアプリの削除と不要なサービスの無効化

ポケトーク端末のシステムは、提供する機能に関連付けられたアプリとバックグラウンドサービスのみを実行するよう設計されており、 これは、デバイスのパフォーマンスとバッテリー消費への影響を軽減するのにも繋がっています。

4.2.3 定期的なセキュリティアップデート

ポケトークは、デバイスを重大な脅威から保護するために、定期的なセキュリティパッチとアップデートを提供しております。

4.3 ネットワークセキュリティ

4.3.1 安全な通信チャネル

デバイスと翻訳エンジン間で送信されるすべてのデータは、HTTPSまたはWSS(TLS v1.2)を使用して暗号化しております。 通信は常にポケトークから信頼できるサーバーに向けて行われるようになっており、サーバープッシュは許可されていません。

4.3.2 ワイヤレス攻撃からの保護

ワイヤレス通信攻撃から保護するために、次の対策が講じられています。

  • Wi-Fi
    • 不要なネットワーク機能とサービスは無効になっています。
  • Bluetooth
    • Bluetoothを介したデータ通信は無効になっています。
    • デバイスは検出不能になっています。

4.4 物理的セキュリティ

4.4.1 USB通信

ポケトーク端末にはUSB-C(USB 2.0)が搭載されており、これはバッテリー充電専用です。 USBは、ハードウェア設計によりデータ通信を許可しません。

4.5 データプライバシーとコンプライアンス

4.5.1 GDPRコンプライアンス

ポケトークは、個人データが責任を持って処理されるように、一般データ保護規則(GDPR)に準拠するように設計されています。 ユーザー設定や、翻訳履歴(オーディオおよびテキスト)は、暗号化された状態でデバイスのローカルストレージに保持されます。 また、お客様はデバイスのメニューからそれらを簡単に削除できるようになっており、一定間隔で自動的に削除するように設定することもできます。

4.5.2 データの匿名化

ポケトーク端末によって収集されたデータは、特定の個人に紐付けられることはありません。 プライバシーを強化し、データ侵害のリスクを最小限に抑えるために、アカウント(ID、メールアドレスやパスワードなど)の入力を必要としない設計となっています。

4.5.3 データの処理

ポケトーク端末は、お客様の音声データと文字起こししたテキストデータを、インターネット経由でSTT(Speech-to-Text)、TTT(Text-to-Text)、TTS(Text-to-Speech)のエンジンに送信しますが、。 ポケトークは、すべての翻訳エンジンプロバイダーとはDPA(Data Processor Agreement)を結んでいます。 お客様がポケトーク社とのDPA契約が必要な場合は、営業担当者までお問い合わせください。

4.6 デバイス管理

4.6.1 OTA(Over-the-Air)アップデート

セキュリティ・パッチはOver-the-Airで配信されるため、すべてのデバイスが最新のセキュリティ機能で常に最新の状態に保たれるように設計されています。 ポケトークは、モバイル通信またはWi-Fiインターネット通信を介して新しいアップデートを検出しますが、これら新しいソフトウェアをダウンロードするにはWi-Fi接続が必要となります。

4.7 セキュリティ監査

原則年に1回は、外部のサードパーティのセキュリティ専門家に、ポケトークのセキュリティ監査を受けています。 また製品の実装に大幅な変更を加えた場合は、主要なソフトウェアアップデートをリリースする前にセキュリティ監査を実施しています。

5. サービス提供と規約

5.1 サービス利用規約

サービス利用規約については、オンライン上で公開している最新の利用規約をご参照ください。
https://pocketalk.link/tou

5.2 サービスレベル目標(SLO)

ポケトーク社は、以下のSLOに基づいてサービスを運用しています。

サービス提供時間 24時間 365日
※同時間帯でサービスの監視も行っています
サービス可用性 99.0%
※ 年間の計画的サービス停止は含まれません
計画サービス停止 2〜4回 / 年
※1回あたり最大6時間程度のサービス停止を見込んでいます

5.3 政府の承認、認可、認証、通知など

お客様がデバイスを使用するために政府の承認、認可、認証、通知が必要な場合、販売店がそのような承認、認可、認証、通知などを取得できる場合を除き、お客様ご自身が自己の費用と責任で対処するものとします。