繊細なかけ心地や見え方の満足度、完成度が求められるメガネだからこそ 「日本のJINSで買いたい」という多くの声にポケトークで応える。
ポケトークW 導入レポート JINS様 の場合
東京都を訪れる外国人旅行者は、平成29年に約1377万人と5年前と比較し102.2%増との調査結果が発表(東京都)されるほど、訪日外国人が増加中の日本。とりわけ、日本最大級のターミナル駅である東京駅は、あらゆる国籍の外国人旅行者がさまざまな目的で利用します。そんな東京駅の7商業施設で、外国人旅行者への接客ツールとして2017年10月よりポケトークの実証実験が行われています。今回は実証実験に参加された「JINS 東京駅グランルーフ フロント店」にて、ポケトークの使用感や評価を伺ってきました。
身に着ける時間が下着に次いで長いメガネ。その満足度向上のためには多面的な対応が必要に。
普段、外国人のお客さまはどのくらい来店されるのですか?
ひと月の全来店客数の約15%が外国人のお客さまで、1日平均20名以上が来店されます。中国からのお客さまが圧倒的に多く、次に韓国、タイ、台湾、シンガポール、アメリカやカナダ、ヨーロッパからですね。「日本のJINSでメガネを買いたい」と来店頂くことが多いです。
以前、日本に旅行に来られた際にも、JINSでメガネを作られたお客さまが、「とても良かったので、ここでまた買いたいと思って来たよ」とリピートしてくださったこともありました。その日の朝に到着されたばかりでお疲れの中、観光に出られる前に寄ってくださり、それは、メガネの仕上がりに数日かかることをよくご存じだったからなんです。お作りになるメガネによっては、度数の調整などにより、仕上げに数日かかる場合もあるのですが、こちらから言わずとも熟知されていて。そんなふうに、旅行の初日にスーツケースを持ったまま、寄ってくださる方もいらっしゃいます。
メガネは下着の次に長く身に着けるものなので、JINSを選んでいただけてとても光栄です。最近、わたしが接客したドイツの方は、「何度も来ている」とおっしゃっていました。ドイツではメガネがとても高額だそうなのですが、安くて品質の良いJINSのメガネを購入することが訪日の目的の一つになっていると言っていただきました。
外国人のお客さまへの接客で工夫されている点、気遣われる点はどんなことですか?
ダントツで来店数の多いアジア圏(中国や韓国)の方が喜ばれるトレンド感の強いデザインや、ブルーライトカットレンズを用いたラインナップを豊富に取り揃えています。また、外国人のお客さま向けビッグフレームの一部取り扱いほか、これまでの経験上、外国人のお客さまが好まれると思われるデザインをまとめてディスプレイしたりといった工夫をしています。
気遣いとしては、お客さまの旅行スケジュールを配慮することも大切になります。お客さまの度数によっては、仕上がりに数日かかる場合もありますから、どのレンズで作れば、帰国前にお渡しできるかをアドバイスします。たとえば、レンズや度数によってはお取り寄せになって帰国に間に合わないケースも考えられますから、そうした際は、間に合うレンズの選び方をご提案することもあります。お客さまにとって、後悔のないベストなメガネを作っていただけるよう、多面的にお話しするようにしています。
日本人にも説明が難しい測定結果や処方箋についてなど、メガネ店特有の内容も、ポケトークで正確に伝わった。
ポケトーク導入以前は、外国人のお客さまにはどのような対応をされていましたか?
台湾、タイ、カンボジア出身の外国人スタッフがいまして、彼らは母国語と英語が話せます。私自身は英語が話せますが、中国語はなかなか…中国からのお客さまには、台湾出身のスタッフに任せていました。ただ、中国からのお客さまが非常に増えてきているので、対応しきれなくなってきていたのです。
わたしのほか、外国語ができない日本人スタッフも、外国人スタッフにワンフレーズずつ教えてもらっていました。話せるレパートリーを増やそうとみんな頑張っています。
ポケトークは導入前からご存じでしたか?
TVCMで知ってました! スマートフォンの翻訳アプリやほかの翻訳機とどう違うんだろう? と、興味を持っていました。
わたしもTVCMを見て知ってました。最初に知ったときは、子どものころに想像していた未来の“夢の機械”が、こんな形で現実化したんだなと驚きました。
ドラえもんの道具みたいですよね。
実際にポケトークを使用してみた感想はいかがですか?
便利すぎます!これ一つあれば、世界のどこにでも行けると思いました。
「クールジャパン」のアイテムの一つとして、アピールしてもいいのではないかなと感じました。ポケトークは私たち日本人にとっても便利ですが、外国人のお客さまにも便利さを感じてもらえていると実感しています。英語はまだ接触機会がありますが、日本語は接触機会が非常に少ない言語なので、外国人のお客さまに伝わらない場面も多くあります。でも、ポケトークがあれば、簡単に日本人とコミュニケーションができる! と喜んでいただけるのではないでしょうか。
ポケトークを初めて使った時のエピソードを教えてください。
薬事法に関係する、処方箋のご説明の際に使いました。メガネを作る際には、お店で視力を測定して作る、いまお使いのメガネと同じ度数で作る、処方箋を元に作る、という3パターンがあります。処方箋を元に作ったメガネの度数を変えたい場合は、再度メガネをお作りになった際の眼科の処方箋が必要なのです。これは日本の方に説明するのも簡単ではないのに英語でとなると…これまではわたしの英語力ではまったく説明できませんでした。そこでポケトークを使って「作って差し上げたいが処方箋が必要です」ということをご説明してみたところ、お客さまがご納得された表情になったんです! その時は、30~40代くらいの中国人の男性でしたが、「そういうことなら処方箋を手に入れてまた来るよ」と言ってくださって。できる・できない、イエス・ノーだけではなくて、こちらの想いがニュアンスまで含めて正しく伝わったようで、すごいと思いました。
免税の手続きには、パスポートをお預かりする必要があるんですが、大切なものなので不安がられるお客さまも多いんです。ある日、タイからの男性のお客さまで、パスポートの行方をずっと目で追われていて不安なご様子で…そこでポケトークを使ってみたんです。「お会計が終わったらすぐに責任を持ってお返ししますよ」とお伝えしたら、安心した表情で笑顔を見せてくださったのが印象的でした。もう1つ、カナダから来日されたご家族で、以前この店で作ったメガネの仕上がりが良かったので、母国のお父さまに作って贈りたいというご相談がありました。お作りするのに処方箋が必要なのですが、外国の処方箋では日本でメガネを作るには不足している情報があるんです。そこでポケトークを使って不足している情報を教えていただきたい、と細かくご説明したところ、きちんとご理解頂けてお電話でお父さまに確認され、無事にお作りすることができました。ポケトークがなければ、諦めていただいていたかもしれません。
メガネ店特有の専門的な説明があるのですね。
そうなんです。特にPD(※)というレンズの中心と瞳の中心を合わせるために必要な数値があるのですが、それを「目の左右の距離」とポケトークに吹き込んでお伝えしたら、ちゃんと伝わって、必要なデータをお客さまからご提供いただけた、ということがありました。
外国人のお客さまですと、日本人とは頭の骨格、ホリの深さ、耳までの距離などが違っているので、平均値では長く心地よくかけていただけないかもしれません。だから、ポケトークで細部にわたって意思疎通ができることは、すごくありがたかったです。
※PD(瞳孔間距離):右目の眼球の中心から左目の眼球の中心までの長さ
私たちが機械に合わせるのではなく、機械が私たちに合わせてくれる。これまでの翻訳機とは一線を画す性能に満足。
逆に、ポケトークでも伝えきれなかったことはありますか?
軸…でしょうか。乱視の補正をする傾きの度合いなんですが、「軸ってなに?」と聞かれると……。
日本人のお客さま相手でも、説明しづらいですから。
お店での測定後に、「乱視が増減したのはわかったが軸とはなにか」と質問されて、言葉に詰まってしまうことがあるんです。角度、度合い、コンディションなど、いろいろ試してなんとかお伝えしていますが、ご理解いただけているかどうか。
メガネ店の専門的な言葉を、まず日本語でどう吹き込むかは課題だと思います。でも、ポケトークは吹き込んだ言葉を正確に翻訳してくれますから、わたしたちも言葉選びを試行錯誤しながらポケトークに何度も話しかけて、使いこなしていきたいと思います。
「スマートフォンのアプリとどう違うの?」という興味に対する答えは、どうでしたか?
会話の言葉をそのまま聞き取ってくれる点が、大きな違いですね。スマートフォンなどほかの翻訳機では、英語の文法を考えながら日本語を作って吹き込んでも変な翻訳が出ることがあるので、もう一度その英語を日本語にして確認したり……、わけがわからなくなっていました。ところがポケトークは、長文でも吹き込んだままを翻訳してくれます。翻訳時間も短いですし驚きました。
私たちが機械に合わせるのではなく、機械が私たちに合わせてくれる感じがしますね。
ほかにも、ポケトークがあって良かったと思ったエピソードがあれば教えてください。
モンゴルからのお客さまがいらっしゃった時ですね。本当に初めて耳にする言葉で、面食らいました。モンゴル語はまったく未知の言語でしたがそんな時は、ポケトークです!ポケトークに「モンゴル」と吹き込んで、言語選択が音声でできます。この機能は非常に便利ですね。スムーズに接客に移行できます。また、私はできるだけ、その方の母国語であいさつをするようにしているのですが、そういう場面でもポケトークで調べられるので個人的に助かっています。
中国の20代くらいの女性でしたが、初めはお客さまがお持ちのスマートフォンの翻訳アプリで話しかけてこられました。そこに表示された日本語が意味不明でしたので、これはポケトークだ! と使ってみたら、「そっちのほうがいいわ」とポケトークでの会話となりました。ほんの一言二言の短い会話で、お客さまにも使いやすさや性能をご納得いただけますね。
いまのお話のように、外国人のお客さまはポケトークの使い方をすぐに理解されますか?
特に中国の方は、メールやSNSのメッセージも音声で入力される方が多いようで、ポケトークへの適応力は高いと感じますね。こちらがポケトークに吹き込んで文章が表示されるのを見て、「なるほど」とすぐに理解して対応いただけています。
国籍を問わず若い方は早いですよね。高齢の方には、機械を使うこと自体に抵抗感があって、「なにこれ? どうすればいいの?」「機械はいいわ」と使ってもらえなかったこともありました
発音の強弱や抑揚が難しい中国語など、外国語を学ぶツールとしても活躍。
覚えていても、あえてポケトークを使うフレーズはありますか?
中国語は発音の強弱や抑揚が特に難しくて。たとえば「乱視はありません」というフレーズを台湾人スタッフに習って実際にお客さまに伝えてみても、5回に1回くらいしか理解いただけないんです。そこはポケトーク頼みですね。
測定の際に「クリア」と言うのですが、「L」と「R」の違いの発音が本当に難しくて、なかなか伝わりません。お客さまに使う例ではないですが、個人的な勉強ツールとしてポケトークを活用して、ひっそり練習しています!
店頭ではBGMも流れていますが、ポケトークの使用は問題ないですか?
お客さまにお聞かせするボリュームは充分です。同時に画面もお見せするので、ご理解いただけています。履歴が残るので、使う頻度が高いものは何度も吹き込まなくてもすぐにお見せできるのもいいなと思います。
このLINEのように吹き出しが会話形式で表示されるのは、見慣れていて理解も早いですし、かわいらしくていいですね。でも、スワイプで拡大できるとさらにいいかもしれません。
ほかに改善点や、進化を望む点はありますか?
吹き込んでいる際に、後ろで話しているスタッフの声を拾ってしまうことがあるんです。こちらの説明と混ざって、ごちゃごちゃの翻訳になってしまったことがありました。話し声をピンポイントで聞き取ってもらえたらいいなと思います。
画面は大きく文字も見やすいのですが、スワイプで拡大できるとさらにいいかもしれませんね。でも、左右から吹き出しが出て会話のように表示されているのがかわいらしいので、このままでいいのかな。
●よく使うフレーズ
「このメガネはレンズ交換をするのに2000円かかります。」
英語:This glasses costs 2000 yen to exchange the lens.
中国語:這副眼镜更换镜片需要花二千日元。
「処方箋のデータはありますか?」
英語:Do you have prescription data
中国語:有处方的数据吗?
「処方箋をお持ちですか?」
英語:Do you have a prescription
中国語:您有处方吗?
「乱視の度数はありますか?」
英語:Is there a degree of astigmatism
中国語:散光有度数吗?
「(測定後に)あなたは乱視が入っていません」
英語:You do not have astigmatism
中国語:你没有散光。
「測定の結果メガネの度数はこちらの強さがおすすめです」
英語:As a result of the measure the strength of this glasses is recommended here
中国語:测量的结果,眼镜的度数推荐这个强度。
「薄いレンズにすると日数がかかります」
英語:It takes days to make thin lenses
中国語:如果做成薄镜片的话,要花几天时间。
「このフレームだといまのメガネより少しレンズがはみ出します」
英語:With this Frame the lens will protrude a bit more than the current glasses
中国語:这个镜框的话,镜片比现在的眼镜稍微超出了。
「メガネは乱視の追加料金がありません」
英語:Eyeglasses have no additional charge for astigmatism
中国語:眼镜没有散光的追加费用。
「近隣店舗で探しましょうか」
英語:Shall I look for it in a neighborhood store
中国語:在附近的店铺寻找吗?
[導入担当者さまの声]
ポケトークがあることで海外からのお客さまとの
コミュニケーションがより円滑になった。
JINSの魅力を世界に発信することにつなげたい。
株式会社ジンズ 東京駅グランルーフ フロント店 店長 松村一希さん
東京駅という土地柄、さまざまな国のお客さまが来店されます。最近では英語が話せないお客さまも増加傾向で、そういったお客さまへの対応のために実証実験に参加することになりました。これまでは、お客さまからスマートフォンの翻訳アプリを示されることが多かったのですが、ポケトークがあればこちらからお客さまへアプローチでき、コミュニケーションがより円滑になって安心してお買い物していただけるようになったと感じています。スタッフからは、対応できる言語が多いことへの驚きと、文章表示もされるので理解してもらいやすいこと、持ち運びやすく見た目が可愛いといった声が寄せられています。2020年に向けて、外国人観光客のさらなる増加が見込まれます。もちろんスタッフ自身が語学力を上げる努力は不可欠ですが、言語を完璧に習得するには時間も労力も必要ですので、ポケトークのような翻訳機があるのは心強いです。これからも海外からのお客さまの満足度をより高めていき、JINSの魅力を世界に発信していきたいです。