細やかな接客が海外で口コミに。
外国人観光客の集客に貢献
新宿や赤羽、目黒など東京都内に展開する焼き鳥「やきとり串八珍」。新宿中央口店では、ご夫婦やご家族、10名ほどのグループまで様々な外国人観光客が来店され、多いときでは1日に50名に及ぶこともあります。
ポケトークを導入後、よりきめ細やかなサービスを提供できるようになった他、外国人のお客様からの注文にも変化が見られ、売り上げは増加したと言います。
今回はポケトーク導入により接客、集客、従業員コミュニケーションまでどのような波及効果があったのか、新宿中央口店店長の正司様にお話を伺いました。
──ポケトーク導入のきっかけを教えてください
自分自身がとても困っていたのが正直な理由です。1日に多くて50名もの外国人のお客さんがいらっしゃる時に、言葉が通じないと思うように接客できないことを身をもって痛感してきました。
今までは翻訳アプリでなんとかしのいでいましたが、翻訳した内容を様々な言語の音声で喋ってくれるのと、パソコンで打った機械的な文字だけでなく、手書きの字体も翻訳される点に魅力を感じすぐに導入を決めました。
もともと英語と中国語は対応できるスタッフがいて、韓国語やスペイン語、フランス語など他の言葉はポケトークで対応しています。ただ外国語ができるスタッフはアルバイトなので、毎日誰かしら対応できるわけではありません。そこでポケトークが活躍しています。
まず1台から始めて、外国人のお客様も我々もスムーズに使えることがすぐにわかったので、現在は2台体制で回しています。
──ポケトークによってどんなコミュニケーションが取れるようになりましたか?
本当に様々なやりとりがストレスなくできるようになりました。
外国人のお客様だとラストオーダーの間際や閉店後に入店されてしまうケースも稀にあるのですが、ポケトークがない時代は、両腕で”バツ”を作って「クローズ!」とだけ言っていました。
本当は「折角お越しくださったのにすみません」とか「もしまた近くにいらっしゃることがあれば、22時15分までならお料理のオーダーも承っています」など、次に繋がる気の利いた一言を添えたかったんです。ただ、そんな外国語スキルはないので...。今では全てポケトークで叶えられています。
他にも、混雑時に何分待ちですとご案内したり、オーダーを多めにされたグループに「そんなに頼むと食べきれないと思いますよ。このメニューはハーフサイズにしますか?」と提案したり、日本語でのコミュニケーションとなんら変わりなく接することができています。
やっぱり僕も他のスタッフも、言葉に自信がないとそれが接客にも現れて、一歩下がってしまうんですよね。日本語が喋れないお客様がいらっしゃると、外国語が話せるスタッフが接客すればいいじゃないかという逃げの雰囲気にどうしてもなってしまっていたので、それはいけないなと。ポケトークがあることで、世界中どこの国からお客様がいらっしゃっても、全スタッフが自信を持って接客できるようになったことがとても大きいと感じています。
──お客様からの注文に変化はありましたか?
はい、焼き鳥以外の一品メニューを頼まれる頻度が格段に上がりました。
串八珍では炭火で焼いた焼き鳥が名物でして、ポケトークの導入以前は、どなたに対しても塩焼きとタレ焼きの両方をバランス良く召し上がっていただける「お任せ盛り」を提供することが大半でした。
しかしよくお話を伺うと、脂っこい肉は避けたい人や内臓系を苦手とする人など、様々な嗜好のお客様がいらっしゃることに気づきました。よく考えれば当たり前なんですけど、外国語でやりとりしているとそれだけで特別な対応をしているように錯覚してしまって、本質的にきめ細やかなコミュニケーションを図れているかと聞かれたら以前はそんなことはなかったんです。
ポケトーク導入後は、中国語で「レバーが苦手なのですが、それ以外で人気のあるサッパリしたお肉はなんですか?」と聞かれたこともあります。すかさずポケトークを取り出して「ネギマ豚、バラ、あとはセセリも脂っこくなくて美味しいですよ」と、お客様のご意向を聞いたうえで具体的なご提案をできるようになりました。ポケトークの翻訳を聞いて、うんうんと頷かれたり、「じゃあそれにしよう」とオーダーしてくださったりする反応を見て手応えを感じています。
他にも「鳥と豚をそれぞれ食べたい」とご依頼いただいた時は、ポケトークで「鳥だとねぎま、豚だと豚バラがおすすめです」としっかりと弊店のこだわりをお伝えさせていただきました。伝えたいことを我慢しなくて良いって、接客業ではやはり嬉しいですね。
──ポケトークの波及効果
外国人のお客様の口コミで、新たなお客様が増えるポジティブな循環が生まれたことが大きいです。
この前は香港から、年に何度か訪日されている方たちがご来店されたんですが、自国に帰られた際にご友人に串八珍をおすすめしてくれたみたいなんです。後日その方の友人が、香港から電話をかけてきて驚きました。これから日本へ行くから席を予約しておいてほしいと言うんです。
またあるタイミングでは、ご来店いただいた中国人観光客が弊店の美味しかったメニューや接客について、写真つきでSNSでシェアしてくれました。そうしたら連続的にそうしたSNS上でのシェアが伸びていって、中国からのお客さん数がかなり増えたんです。
自分もそうですけど、言葉のわからない国では自分と同じ日本人の意見を参考にして旅行計画を立てることも少なくないでしょう。ポケトークがあることで、弊店が日本滞在中に訪れたい飲食店として話題に上がるくらい良いサービスを提供できているのだなと自信に繋がりました。
──店舗運営において良い変化はありましたか?
はい。外国人スタッフを何人か雇っているのですが、業務をする上で伝えないといけないことに関しても、ポケトークのおかげで大幅に改善しました。
全スタッフにまず伝えているのは、「生の鶏肉を触った手でそのまま他の食材を触ると、食中毒に繋がってしまう可能性があるから絶対やめてください」とか、「味見をちゃんとしてからお客様に出してください」とか、飲食店においては基本中の基本であり徹底しないといけない事柄です。
今までは怒っている表情やジェスチャーで、OK・NGを理解してもらっていたのですが、なぜOKなのか、なぜNGなのかの背景や具体例を認識齟齬なく伝えらえるのは人材育成において非常にありがたいです。スタッフの意識やスキルはそのまま接客に現れますし、ひいてはお客様満足度や売上にも影響しますから、言葉の壁を感じずにスムーズにコミュニケーションを取れている恩恵は大きいと感じています。
これからも世界中のお客様に日本の食文化を楽しんでいただけるよう、万全を期してお迎えできる店舗として運営していきたいです。