地元スーパーマーケットが魅力的なのは外国人も同じ 朝夕の食事の買い出しに日常的な会話の翻訳が必須
外国人観光客にも人気の高い東京スカイツリーのお膝元にある「ライフ セントラルスクエア押上駅前店」。2015年のオープン時からインバウンドを想定した店舗づくりを行い、免税カウンターも設置しました。お土産品などを求める方はもちろん、店舗上階がホテルとなっており滞在中の朝夕の食事や飲料を求めて多くの外国人が立ち寄ります。ポケトークは2018年3月より2台、2019年12月より3台導入しています。1階・地下とフロアがわかれ、取扱商品が多岐に渡るスーパーマーケットならではの活用法を伺いました。
ホテル滞在者が朝夕に来店。外国人観光客の来店ピークは朝夜2回
――普段、外国人客はどのくらい来店されますか?
一日の平均来店数は7,000人ほどですが、そのうちの3~4%、200~300人が外国人のお客さまです。ピークは1日に2度あり、午前9時の開店時に朝食を買いに来られる時間帯と、夕食時の夜8時以降ですね。
夜はホテルに帰られる途中に寄られ、夕飯や飲料といっしょにお土産の免税品を買われてお手続きされることも多いです。全体では3〜4%ですが、午後9時以降から閉店の0時までは20~30%が外国人のお客さまではないかと思います。国籍は中国の方が圧倒的に多く、ついで台湾、韓国の方、アメリカやヨーロッパの方もご来店されます。
とはいえ、午前中にも免税品をお求めになるお客さまはいらっしゃいます。以前は免税手続きは朝10時から行っていましたが、半年前から朝9時の開店と同時に開始するよう変更しました。
語学ができるスタッフの採用が間に合わない。 目に見えて増えるニーズに翻訳機は必須だった
――インバウンド需要を想定したお店としてオープンされましたが、ポケトーク導入以前の対応はどうされていましたか?
オープン時は、英語の話せるスタッフ4名でスタートしました。ただ、学生アルバイトの方もいたので就職で辞められたり、免税カウンターやサービスカウンターにおいて外国語対応ができる人材が減ってしまったのです。
わたしはオープン時から勤めているので、外国語対応のできる人が減って現場が困る様子を見てきましたが、本当に大変でした。免税カウンターには本社が作ってくれた中国語と英語などの指差しシートがあったのですが、現場に即していない部分もあって結局、使わなくなっていました。
ほかの売り場に語学ができるスタッフもいるのですが、それぞれの持ち場が忙しいとわざわざ免税カウンターに来てもらうわけにもいきません。語学のできるパートナーさんは随時募集していましたが、思うように採用できないのが実情でした。
わたしが免税カウンターに入ることになった時、スタッフ間の無線で言葉が話せる人を呼んだのですが、結局「待てない」と買わずに帰られてしまう方もいらっしゃいました。
――店舗から本社に相談をしていたのでしょうか?
採用が追いつかないのでなにか手を打たなければならないと、本社には常にお願いしていた状況でしたね。パートナーさんによっては、個人的にスマートフォンに入れている翻訳アプリを使用されていましたが、翻訳アプリでは長文の翻訳が支離滅裂になってしまうようで…。そこで、本社に申し入れする際に、ある程度の長文をきちんと翻訳してくれて会話が成立するものがよい、とお願いしていました。
例えば、駅への行き方をお答えすることが多いのですが、「押上駅へは信号を渡って、階段を降りて……」と道案内はどうしても長くなります。また、併設のホテルも、店内から直接は行けないので、「一度お店を出て隣接するホテル専用の入口からお入りください」とご説明することになります。
――結果、ポケトークが導入されることになりましたがいかがですか?
もう、便利の一言です! 店舗にポケトークが届いて、最初にわたし自身が中国からのお客さまと会話する機会がありました。「ライフカフェ」という休憩スペースの近くにおり、「ここで食べていいですか?」と英語で話しかけられたのです。さっそくポケトークで対応してみたのですが、母国語ではない英語だと翻訳がうまくいかず、中国語の設定に変えてお話しいただいたら見事にご質問内容がわかりました。最初の利用で、ポケトークが“使える”ということを実感しました。
先ほどのような長文でも、ポケトークは間違いなく翻訳してくれます!
――なにか印象的なお客さまとのやりとりはありましたか?
惣菜を指して英語でなにかお尋ねだったので、ポケトークを使ってみたら「イスラム教徒なのですが、この惣菜に肉は入っていますか?」とのことでした。確認したら肉を使用していたのです。レジを通す寸前でしたが、ご精算前にわかって本当によかったです。また、中国のお客さまで、中国銀聯(ユニオンペイ)の暗証番号が違うようでエラーが出たことがありました。戸惑っていらっしゃったのですが、ポケトークで会話してみたら2パターンくらいの番号を使い分けていらっしゃったようで、「違う番号を試してください」とお伝えしてきちんと処理することができたということもありました。
実際にポケトークを利用し配置場所を変更。 コンパクトなのでどんな現場でも使いやすい
――現在、導入されているポケトーク3台は、どこに配置されているのでしょう?
最初は総合案内所であるサービスカウンターと、免税カウンターに置きました。しかし、導入後にライフカフェ担当者から、「よくお問い合わせをいただくので、1台置いてもらえないか」と相談を受けました。実際、様子を見ていると、開店時から外国人のお客さまがカフェをよく利用されていることがわかったので、現在は免税カウンターとライフカフェに1台ずつ置いています。ただ、当店は1階と地下に売り場がわかれ、地下には生鮮食品やお菓子売り場があります。お探しの商品画像をスマートフォンに表示してこられる方がほとんどなのですが、ワサビなどのチューブ食品、キャラクターがパッケージになったお菓子など、地下売り場の商品が多いのです。そのため、地下にももう1台、ポケトークを追加しました。
――ポケトークが導入されてスタッフの皆さまの反応はいかがですか?
ポケトークを導入してから、免税対応ができるパートナーさんが増えました。導入にあたって、特別な使い方の講習などはしていないのですが、みんな楽しみながら使いこなせるようになっていました。
外国人のお客さまへの恐怖感がなくなったことも大きいです。以前は、「話しかけられたらどうしよう…」と気持ちが逃げていました。でも、ポケトークがあれば安心して、笑顔で対応することができます。
――なにかポケトークに求めることはありますか?
お客さまがポケトークに話しかけたら、自動的に言語を設定してくれるとありがたいですね。中国語の中でも、繁体字、簡体字など違いがあったりしますので。
本当にそうなるといいですね。言語を選択する間も待ちきれなくて、「もういいわ」となってしまうケースもありました。自動的に相手の言語に合わせられてすばやく対応できれば、ご希望のものに加えて別のご提案をするなど、なんでも揃うスーパーマーケットならではの使いこなし方ができそうです。
●よく使うフレーズ
「店内で食べることもできます」
英語:you can also eat in the store
中国語:也可以在店内吃。
「こちらは袋詰めをするためのテーブルです」
英語:This table is for bagging
中国語:这个桌子是用来装袋的桌子。
「ここではなく、カフェでお召し上がりください」
英語:Please eat at a café instead of here
中国語:不是这里,请在咖啡厅吃。
時間制限や利用料を気にせず使ってほしい──。 なにより現場にとって使いやすいものをという 希望にかなう翻訳機がポケトークだった。
免税カウンターを設置する際、オープン当初は電話オペレーターが対応する翻訳システムを導入していました。しかし、オペレーター対応ですと時間帯に制限がありますし、費用も通話時間単位でしたので、パートナーさんも躊躇してしまって使わないケースがあったようです。結果、携帯できる「翻訳機」が使いやすいのだろうと考えました。そこで、専用端末やスマートフォンにダウンロードする翻訳アプリなど、費用、使い勝手の面をいろいろ比較していくなかで、「長文が翻訳できる」「費用を気にせず積極的に使用できる」「持ち運びできる」「操作が簡単」などが決め手となり、ポケトークの導入が決定しました。導入してみて利用履歴を確認してみたところ、「こんなお問い合わせをいただくのか」「こんな対応もしているのか」とさまざまな需要があることがわかりました。本社としては、総合ガイドのサービスカウンターと免税カウンターへの設置を考えていましたが、なによりパートナーさんの使いやすさを考え、必要な場所に必要な数を設置していきたいと思います。