業務効率の底上げに成功。
言葉の壁を克服し、外国人人材の積極採用で人手不足を改善

和・洋・中惣菜、サラダ類、おせち料理など、幅広い量販用惣菜や加工食品を製造・販売している玉三屋食品株式会社様。1918年(大正7年)の創業以来100年以上、「安全で安心・健康でおいしい」を理念に掲げ、惣菜を中心とする独自製品を生産し続けています。

同社は2023年4月よりポケトークを20台導入しました。現在は主に総務部、製造ラインで活用されています。

今では外国人人材が半数以上を占めますが、以前は労働力不足や、言葉の壁を超えたコミュニケーションに課題を感じていたそうです。今回は導入してからの変化や今後の取り組みについてお話を伺いました。

お話を伺った深川さん(左)と久保田さん(右)
お話を伺った深川さん(左)と久保田さん(右)

──ポケトークの導入背景を教えてください。

弊社は食品メーカーで、製造ラインを中心に外国人従業員の方が大勢いらっしゃいます。

シフト制で出勤している外国人従業員が日々100名超、全体では300名ほどで、日本人を含む全従業員の6割以上を占めます。ネパール、フィリピン、ベトナム、インドネシア、スリランカ、中国などアジア諸国をはじめとし、アフリカや南米(ブラジル・ペルー)の方もいらっしゃいます。

言葉も文化も違う300名近い従業員一人ひとりが安心して働けるように、個人情報の管理、社会保険加入手続きを含む身の回りのお世話、安全衛生の初期教育など、さまざまなサポートが欠かせません。

また実務にあたってもらうには、お客様の口に入る食材の安心・安全を徹底するために必要な指導も少なくないので、素早く的確に意図を伝えないといけません。

今までは携帯の翻訳機アプリを使ったり、身振り手振りを駆使したりしてなんとか伝えようと頑張っていましたが、やはり細かいニュアンスまで伝えることには苦労していました。そこで2023年4月からポケトークを20台導入しました。

お話を伺った深川さん(左)と久保田さん(右)
100年以上「安心・安全」を徹底して守り抜かれた伝統の味

──ポケトークは通常どのように活用されていますか?

野菜を下処理・カットして洗浄して製造工程に入れるようにする「野菜加工室」、加熱調理室、非加熱調理室(攪拌等)、商品のパック包装ライン、品質管理室など、いくつかの部署に分けて配置しています。

野菜加工室
調理室
野菜加工室と調理室

また採用や面接、オンボーディングを行う総務部にも常設し、外国人従業員とのコミュニケーションで活用しています。

──ポケトークを導入されてから事業面でどのような変化があったか教えてください。

さまざまな面で業務効率が良くなっていると思います。

一つは、人員不足が改善されたことです。

弊社はもとから外国人人材の採用方針を掲げていたわけではありません。ただ品質管理の観点から機械に任せられないことも多く、どうしても多くの人員を必要とします。そこで20年ほど前から派遣サービスも導入していましたが、日本人だけでは十分な人数を確保できず、外国人採用枠を増やしたのがはじまりです。

弊社の日本人従業員も全員が外国語を話せるわけではありません。当然、外国人従業員が増えるほど言語面での課題も増えるので、人材確保の伸び悩みを感じていました。

しかしポケトークがあると「どんな言葉でも通じる」と、言葉に対する不安が取り除かれ、どこの国からの方でも自信を持って受け入れることができます。結果、会社の過半数を外国人従業員に頼ることができています。

外国人従業員が多く活躍する製造現場
外国人従業員が多く活躍する製造現場

また、従業員同士のコミュニケーションも円滑になりました。

以前はその日出社している外国人従業員の中で、比較的日本語が堪能な方に通訳に入ってもらっていました。ただ、相手が「わかりました」と言いながら表情はキョトンとしていたり、質問が返ってこなかったりして、自分の意図が正確には伝わりきってないのだろうという感覚がありました。

通訳を介すとやはりその方の主観が入ってしまいがちですし、相手にどこまで正しく伝わっているかこちらも判断する余地がありません。ただでさえ専門的な指示があるのに、「言葉の壁」があるとなおさらコミュニケーションが難しくなります。

一方でポケトークを使うと、とにかくまず正確に伝わっている感覚がありました。自分の言葉が発せられるとほぼ同時に、タイムラグなくうんうんと頷いてくれる反応を見て、言葉が通じる嬉しさと、やりとりの生産性向上を実感しています。

ポケトークで翻訳したことを通訳の方にも聞いてもらうと皆んな「今のは正しかった」「ほぼ正確に伝わっています」とおっしゃいますよ。

例えば上の画像は、ベトナム人従業員の方に、手前の日本人スタッフがベトナム語でコンタミネーション防止策の指導をしているところです。

食品の製造工程においては、原材料として記載のある食材以外は全て異物扱いとなります。そこで微生物汚染や異物が混入しないよう、十分に洗浄することの重要さを伝えています。

お客様にとっては「安全で安心に食べられる」ことが大事ですから、言葉の壁があっても、衛生管理教育は決して手を抜くことは許されないやりとりです。

混合物で起こり得るリスクや、アレルギー物質を含む食品加工の注意点など、重要性を正しく理解してもらうために相手に日本語レベルを求めるわけにいきませんから。このようなミスがあってはならないコミュニケーションで、精度の高い翻訳を多言語で、しかもたった一つの手乗りサイズのツールが解決してくれるのはとても便利だと思っています。

──総務部ではどのようにポケトークを活用されていますか?

採用面接、採用後の手続き、教育など、本当にさまざまな面で使用しています。常にポケトークを首から下げて持ち歩いているほどです。

上の画像は、ネパールから来た方に、衛生管理マニュアルを見せながら注意事項を説明している様子です。ネパール語版のマニュアルも用意してはいますが、やはり初見で全てを理解することは母語であっても簡単ではないので、耳から入ってくる情報として一通りポケトークを使って説明するようにしています。

特に、かなりの長文にも翻訳対応してくれる点と、翻訳履歴が残る点は重宝しています。翻訳精度を気にして、不自然な場所であえて発話を区切って翻訳を待つ必要がないので、発言するときのストレスが少ないんです。さらに採用面接や衛生管理指導など、自分が何をどこまで伝えたのかワンプッシュで履歴を表示できるのは便利ですね。

──ポケトークの画像翻訳機能も活用されているそうですね。

はい、ベトナム語の雇用契約書の写真を撮って、すぐに日本語に変換されたときは驚きました。

ポケトークを導入してまだ日が浅いので多くは確認できていませんが、今後もさまざまな言語の書類で試すのが楽しみです。

──今後ポケトークをどのように活用していきたいですか?

導入して間もないですが利便性を痛感しているので、まずは管理部や部署長レベルから積極的に取り入れ、全社で「ポケトークを使うのが当たり前」の状態にしていきたいです。

他にも、以前ベトナム実習生の子たちで定期的に日本語の勉強会をやっていた時期がありました。ただその時はポケトークがなかったので、日本語でわからないところがあっても正しい表現を確認するのが難しく、そうこうするうちに新型コロナウイルスで中断になってしまったのですが......勉強会が再開したら、従業員同士のコミュニケーションにもぜひポケトークを活用してほしいと思っています。