お客さまの大事なお金を扱う銀行はライフライン。口座開設など緊張されがちな受付にも、ポケトークで安心と信頼を。
日本で働かれる外国人のお客さまには 母国への送金などに日本での口座開設が必要
――普段、外国人のお客さまはどのくらい来店されますか?
ここ本店では、いわゆる銀行窓口は2階にあり、1階は総合相談窓口(初来店時の受付等)と個人さまの個別相談スペースになっています。わたしはその1階にて接客を行っているのですが、お客さまの日本人と外国人の比率は8:2程度ですね。1日平均にすると6~8人です。
――どのような目的で、どの国の方の来店が多いのでしょうか?
当行の株主(親会社)である台湾CTBC Bank(正式名称/中國信託商業銀行股份有限公司)への送金は手数料が無料(コルレス手数料および為替手数料は除く)なので、日本で働き始めた台湾の方が母国に送金するための口座開設で訪れるケースが多いです。ただ、当行では外貨両替は対応しておらず、外貨両替目的で訪ねていらしたお客さまはお断りしなければなりません。
――いつごろから外国人のお客さまが増えたのでしょうか?
観光客はいわゆる爆買いブームとともに増えましたが、送金のための口座開設で来られる台湾のお客さまは、本店では2019年あたりから増加してきました。
当行のCTBC Bankへの送金手数料が無料であることが、在日台湾人の方のSNSコミュニティで広がったようです。親会社であるCTBC Bankへの送金手数料無料のサービスは2017年12月に開始しました。SNSコミュニティへの書き込みによる来店数増加は、最初に大阪で火がつき東京本店をはじめ全国へと広がったという流れです。通常の外国送金は、送金金額によらず4,000~6,000円が相場なので、無料は強いインパクトがあったのだと思います。
お客さまのご要望を正確に聞き取り、外国人スタッフに引き継ぐ“つなぎのトーク”が肝心
――ポケトーク導入前の外国人対応はどのようにされていましたか?
わかる範囲の英語と、身振り手振りのジャスチャーですね。わたしが担当する1階は最初にお客様のご要望をおうかがいするところになります。ところが、なかなか聞き取れない苦労がありました。当時は1階と2階には外国語を話せるスタッフがおらず、本来ですと1階で要望を聞き取って担当部署へつなぐのですが、どうしても聞き取れない場合は本部にいる外国語の話せるスタッフに来てもらうことも多々ありました。(現在は、英語・中国語を話せるスタッフが常駐)
また、通りすがりの観光客の道案内も外国語での対応がなかなか難しいため、身振り手振りで何とか対応している状況でした。
当行では、テレビ会議システムを通じた外国語(英語・中国語)による接客ができるので、全国どの拠点でもシステムにつないで対応できます。ただ、そこにご案内するまでに、課題を抱えていました。
「口座を開く」の英語は「オープン・アカウント」と言います。そのようなお客さまのご要件が分かる単語を聞き取ることができれば担当者につなげるのですが、お客さまも英語がネイティブではないこともあり、単語の聞き取りに不安がありました。また、お客さま側も日本で働き始めた方ですのでなんとか日本語で話そうと努めてくださるケースもあるのですが、結局、意思疎通ができないままつながざるを得ないという状況が生まれていました。
――指差しシートなどのご用意はあるのでしょうか?
指差しシートを使っていた時期もありました。ですが、こちらからの説明より、お客さまのご要望をお聞きすることが先ですので、指差しシートでは対応しきれない場合が多くありました。口座開設されたいというご要望をこちらが理解しご案内が進めば、申込用紙自体には英語と中国語の記入例を用意しています。そこまでいけば、スムーズに進みます。つまり、外国語ができる担当者や、テレビ会議システムにご案内するまでの「つなぎの時間に会話できる者」が必要だという判断になりました。
――ポケトークをお知りになったきっかけ、導入の経緯を教えてください。
2014年12月に、日本非居住者向け不動産購入用ローン「東京招福星」という商品を発売いたしました。さらに、2017年9月には、預金連動型住宅ローンの「スターワン住宅ローン」を、永住権のない外国の方にも販売開始しました。この展開により、ローン担当の部署において、翻訳機の検討が進められていました。優秀なコミュニケーションツールをと探したようで、そこでポケトークがヒットしました。わたしはローン担当部署からの資料でポケトークを知りました。受付においても、いま目の前の課題は、ご来店の外国人のお客さまとコミュニケーションをとることです。しっかりご案内ができるよう、ポケトークでサポートしたいと考えて導入にいたりました。
――ほかの翻訳機と比べ、ポケトークを評価された点はどこでしょう?
他社製品との比較では、対応言語数数は倍以上ありましたし、コスト面でも本体代と別に通信費がかからないポケトークが圧倒的に優秀でした。ポケトーク以外を選択する理由がなかったのです。実は、今回の導入前にはテスト用に1台購入し、わたしも使ってみたのですが、手のひらサイズで触り心地がいいし、翻訳性能についても実際に会話口調で吹き込んで確認してみたところ、スムーズに翻訳されます。「これは使いやすい」と、わたしも納得しました。
異国での口座開設は緊張するもの。 正確な案内のみならず、安心感を感じていただけるように
――実際に総合相談窓口にポケトークが導入されて、いかがでしたか?
こんなに速く訳せるのかと、びっくりしました。翻訳音声が大きく設定できる点もいいですし、仮に音声が聞き取れなくても画面の文字を見せるとご理解いただけます。意思疎通がスムーズにできるようになり、外国語ができないスタッフも自信が持てるようになりました。また総合相談窓口では、お客さまが何時に来店されて何時に帰られたか、ご要望の内容、国籍などを記録しておくのですが、ポケトークは翻訳内容が履歴に残るので、記録を残す際に振り返ることができるのも便利ですね。
――お客さまは、ポケトークの使い方をすぐに理解されていますか?
ポケトークに口元を寄せ、日本語で話してお相手の言語が出てくる様子をお見せすると、理解していただけます。お客さまに話していただく際は、こちらがボタン操作をしていますので、問題なく意思疎通ができています。
――使用中のお客さまのご様子はいかがですか?
実は私たちだけでなく、外国人のお客さまにとっても、日本での口座開設は緊張されるものですが、ポケトークを導入してから、要件を聞くだけでなく雑談もできるようになり、笑顔が見られるようになりました。
外国のお客さまへの口座開設をはじめとした金融取引全般に関する審査は、近年、世界的に厳しくなっています。日本で働く外国の方は増加していますから、金融機関としては柔軟に対応しなければならない一方で、マネーローンダリングなどに悪用されないよう、より厳重な審査をしなければなりません。お客さまもご承知なのですが、やはり身構えられてしまいます。
言葉はもちろんのこと、「何を聞かれるのだろう?」「何か書類に不備はないだろうか?」と不安げな方が多いです。口座開設には有効期限が3ヵ月以上残っている在留カード、本人確認資料、勤務先の住所がわかる書類などが必要です。担当者につなぐ前に必要なものをお持ちかどうか、1階の総合相談窓口で確認させていただきます。
最初の段階でそこを確認できなければ、お待たせしてテレビ会議システムのお部屋にお通しした後に、結局、手続きすることができずいったん帰って準備してきていただかなければならないというケースもあります。待たされて別室に通されたけれど、出直す羽目になったというのでは、銀行としてもっとも大事な信用を失ってしまいかねません。
最近、わたしがご接客した20代後半の台湾の男性のお客さまのケースでは、ポケトークを使ってしっかり必要な書類も揃っていることが確認できたうえで、担当者につなぐことができました。また、担当者が来るまでの待ち時間にもポケトークで少し雑談させていただき、ふっと表情が緩まれて談笑されました。すると、手続きが終わってからお帰りの際、わざわざわたしのところに寄っていただいて、「ありがとう」と声をかけてくださったのです。とてもうれしかったですね。
「バンク(BANK)」は、「なんでも教えてくれる場所」という ご期待にポケトークで応える
――ポケトークにより、接客が変わってきたのですね。
はい。先ほどのエピソードのように、受付で意志疎通ができるようになったことは、大きな変化です。日本語を話されるお客さまと同じように接客ができるようになりました。個人的には、入行1年目でこの総合相談窓口に就きましたので、最初は日本のお客さま相手でも戸惑いがあり、外国語となるともう大変切迫感のある接客になっていたと思います。ようやく日本語でのご案内がスムーズにできるようになってきたところでポケトークも導入され、外国人のお客様のご案内にも自信がついてきました!
ポケトークは行員の心理面のサポートもしてくれますね。看板に「バンク(BANK)」とあると、外国人観光客の皆さんは「なんでも教えてくれる場所」と思われるようで、先ほどのとおり道案内にお立ち寄りになる方もいらっしゃいます。当行としては、ご来店いただいたお客さまにはどんなことでもお役に立ちたい。けれど、言葉が通じないと、とまどいや緊張感が出てしまいます。ポケトークを導入したことで、その緊張感は間違いなくなくなりました。心理面の良い変化も、ポケトークの評価すべき重要なポイントだと思います。
――ポケトークがあることで、外国のお客さまへの今後の展開は広がりそうですか?
現在、外国のお客さま向けのサービスは、口座開設と外貨送金が中心です。それに加えて今後は、ローン商品、日本国内での資産運用、保険など、日本語を話されるお客様と変わらないサービスを展開したいと考えています。それにはコミュニケーションツールが必須ですが、ポケトークが活躍してくれるのではと期待しています。
●よく使うフレーズ
「中国語(英語)が話せるスタッフがいます」
There are staff who can speak English
有會說中文的員工。
「在留カードの有効期限は3ヵ月以上ありますか?」
Is the residence card valid for more than 3 months?
居留卡的有效期限有三個月以上嗎?
「日本で働いている場所がわかる証明書をお持ちですか?」
Do you have an ID card that identifies where you work in Japan?
您有能知道在日本工作的地方的証明書嗎?
「ここでは外貨の両替ができません」
Foreign currency cannot be exchanged here
這裏不能兌換外幣。
翻訳結果は、翻訳エンジンが日々進化しているため、
掲載時と現時点で異なる場合があります。